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『太陽の蓋』『嘘八百 京都ロワイヤル』『ラスト・ディール』

cinema
03 /19 2021
『太陽の蓋』監督:佐藤太(2016)
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東日本大震災を題材にしたドキュメンタリードラマ。東日本大震災とそれによる福島第一原子力発電所事故が発生した2011年3月11日からの5日間を首相官邸内で対応に当たった者たちと東京・福島の人々を対比させて映す(シネマトゥディ)
震災5年後に作られたこんな映画があったんですね。wowowで観ました。
『Fukushima50』は現場のドラマでしたが、こちらは原発事故が起きてから官邸の5日間の話。登場人物は実名で、当時の部分と、1年後に記者が当事者にインタビューして当時の状況を振り返る2構成からなります。
主演は官邸詰め記者、北村有起哉。この映画だと東電は官邸に情報を出さず、何が起きてるのか分からず、そのため菅首相が現場に乗り込んだことになっています。現場は混乱の最中、いきなり首相にこられていい迷惑だったと想像でき「Fukushima50」では悪役扱い。しかしこちらでは情報が上がってこないため、現場や本社に乗り込んだことになっています。どちらが真実だったのか分かりませんが、Fukushimaで佐野史郎、こちらでは三田村邦彦という配役を見ても、首相の描き方は微妙に異なります。とはいえこちらも首相をヒーローに描くつもりはなく、未曾有の事態に右往左往する政権の姿は(こんな言い方は不謹慎ですが)ゴジラが出てこない「シン・ゴジラ」のよう。
しかしどちらの映画も現場の人の責任感の強さは讃えており、非番なのに現場に駆けつけた若い職員が、5年後、記者の質問に「酪農家がこの事故のせいで自殺したと聞いたから、自分たちは最後まで責任を取らなければ」と言います。
この中で北村有起哉にレクチャーする原発関係者?が出てくるのですが、最悪のシナリオは首都圏まで人が住めなくなるというもの。そして本当にたまたまラッキーで偶然水が入ってメルトダウンしなかったことを説明します。Fukushimaの方はイマイチなぜ突然止まったのか?はっきり描かず、まるで現場の英雄的活躍でメルトダウンが止まったかのようにミスリードしかねない演出でした。こういうアンフェアがどうも苦手なので、娯楽要素は少ないけれど、「Fukushima50」よりは事実に対してまだ謙虚かな?と思われます。
さらに、福島原発では廃炉の見通しも立たず、もし何かあったら今度こそ日本に人が住めなくなる可能性を指摘します。核分裂って止められない?今もぶっ壊れたそこで、核分裂は続いていることをうっかり忘れそうになっていました。


『嘘八百 京都ロワイヤル』監督: 武正晴(2020)
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古物商と陶芸家が幻の茶器をめぐって一獲千金を狙う『嘘八百』の続編。
武将茶人・古田織部の幻の茶器にまつわるコメディ。悪徳有名古美術店や大御所鑑定家、陶芸王子、テレビ番組を巻き込んで後半かなりドタバタコメディ。中井貴一も佐々木蔵之介も口の減らないイメージですが、ここでは佐々木蔵之介は無口で腕のいい陶芸家。

「開運!なんでも鑑定団」を見てます。「プレバト」で俳句も見てるし、なんかもう正統派老人街道まっしぐらの今日この頃。
『嘘八百』1も見ているはずですが、ブログに書いていません。以前はそれなりに忙しかったので書くのを忘れたものもチラホラ。でも1も面白かった記憶があります。幻の利休の茶器を佐々木蔵之介が作って、中井貴一が口の減らない骨董屋で、やはり敵は大物鑑定士だったような…?なんだか「鑑定団」の中島誠之助先生を思い出してしまいます(笑)
今回も大物鑑定士と有名古美術商を騙そうと画策。悪徳有名古美術商の先代の幽霊に化けるのがアホの坂田こと坂田利夫。え?この人、ずいぶん昔からいますが一体いくつ?と思ったら、もう80才!あまり変わりません。この映画で一番びっくりなのは坂田利夫の老けなさかも(笑)
着物美人に広末涼子。
もしかしたら今後、寅さんのように、中井貴一、佐々木蔵之介、プラス美人女優のパターンになるのかも?
この映画見た後、無性にお稲荷さんが食べたくなりました。


『ラスト・ディール』監督:クラウス・ハロ
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年老いた美術商オラヴィは、家族よりも仕事を優先して生きてきた。そんな彼のもとに、音信不通だった娘から電話がかかってきて、問題児の孫息子オットーを、職業体験のため数日間預かる。そんな中、オラヴィはオークションハウスで1枚の肖像画に目を奪われる。価値のある作品だと確信するオラヴィだったが、絵には署名がなく、作者不明のまま数日後のオークションに出品される。オットーとともに作者を探し始めたオラヴィは、その絵が近代ロシア美術の巨匠イリヤ・レーピンの作品という証拠を掴む(シネマトゥディ)

老後の趣味が絵画鑑賞の夫(実際はコロナのせいもあり、美術館に行かず、ひたすら美術番組を鑑賞し、美術解説本を読むという、教養主義に陥ってる)と一緒に観ました。
フィンランド映画、渋そうだし、退屈かも?と思いきや、とても面白かったです。
孫をヘルシンキのアテリウム美術館に連れていき、絵の見方を教えるところとか、なんでレーピンのサインが無いのか?の理由とか、オークションの様子など、興味深い映画でした。
しかし、そこはフィンランド映画、ハリウッド映画のように盛り上げず、レーピンと判明するまでのミステリーも淡々としています。
オークションってもっと華やかな印象でしたが、ここでは来ている人たちもお金持ちに見えず、それだけ日常に絵画がある文化なのかもしれません。

この映画のもう一つの柱は親子の確執。娘もシングルマザーで苦労してきた様子ですが、主人公は家族も顧みずひたすら絵画に人生を捧げてきた。とはいえ商才はなさそうで、署名の無い絵をレーピンと確信するものの、1万ユーロ(約130万円)が集められず、孫の大学資金を下させ、ますます娘を怒らせます。
最後に大きな取引をしたいという願いは、後からレーピンと知ったオークションハウスの社長に邪魔され成立しません。それでもレーピンと見抜いた自分の目に、絵に捧げてきた人生の到達点として、満足している様子が印象的でした。
ラスト、絵の裏から娘への手紙が出てきて、そこには娘への謝罪と孫への遺言が書かれていました。
この孫がいかにも今時の男の子なんですが、なかなか商才があり調査能力も高い。この子がいずれ彼の情熱を引き継いでくれるのかもしれません。

ところで、『嘘八百 京都ロワイヤル』ではお稲荷さんが無性に食べたくなった私ですが、この映画ではシナモンロール!
きちんと箱に入れ紐で縛る包装も風情があります。そういえばフィンランドが舞台の『かもめ食堂』でもシナモンロールが美味しそうでした。シナモンロールってフィンランド名物なのかしら?
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コメント

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Re: 同感です!(^^)!

こんにちは🎶
瞳さんもお稲荷さんとシナモンロール、きましたか〜(笑)
その後、お稲荷さんは作りましたよ(笑)。この映画のシナモンロール、クリームたっぷりですごく美味しそう。

>昔中学校の帰宅時にレトロな琺瑯看板に見惚れて乗っていた自転車ごと用水路に落ちた!というエピソードが!(^^)!

うわ〜!それは大変でしたね、息子さんご無事で何より。
それにしても中学生からとは、筋金入りですね。今頃はけっこうな目利きになっているのでは?(笑)

>「ラストディール」昨年観た中でも好きな作品です。

そうなのね〜、後で行っちゃおう♪
スウェーデンは色々有名ですが、フィンランド映画って「オンネリとアンネリ」(だっけ?)とか、可愛いのしか知らなかったので新鮮でした。そうそう、孫と美術館に行って絵の見方を教えるシーンとかすごく良かったですね。オークションシーンも普通に買えそうな値段のものもあって期待以上に面白かったです。

>うちのブログのリンクのところにこちらのブログのリンクを貼ってもいいでしょうか?

はい、どうぞどうぞ!
私はいまだになぜかトラックバック?あれがダメなんですよ〜。
今一度トライしてみて、できたらこちらからも貼らしてもらいます。


同感です!(^^)!

おはようございます。
お稲荷さんとシナモンロール、私も一緒のこと書いてました!(^^)!
食べたくなりますよねぇ。
嘘八百、シリーズかして欲しい作品です。中井さんと蔵さんがまあ!いい味だしてますね。
我が家も毎週欠かさず鑑定団を見てますよ。主人よりも息子が昔から骨董品が大好きです(笑)昔中学校の帰宅時にレトロな琺瑯看板に見惚れて乗っていた自転車ごと用水路に落ちた!というエピソードが!(^^)!

「ラストディール」昨年観た中でも好きな作品です。
北欧ならではの風景も良かったですよね。そうそう、孫がなかなかのやり手ちゃんでした。二人で美術館に行くシーンも良かったですね。
ラストシーンも地味地味なのに、とても味があって好きです。

あ、ところで、今更なのですが、うちのブログのリンクのところにこちらのブログのリンクを貼ってもいいでしょうか?よろしくお願いします。

tonton

映画と本の備忘録。…のつもりがブログを始めて1年目、偶然の事故から「肺がん」発覚。
カテゴリに「闘病記」も加わりました。