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『ルイの9番目の人生』  監督アレクサンドル・アジャ  他2本 DVD録画より

cinema
01 /31 2018
今月は2本目の映画館鑑賞です。
できたら1ヶ月に2本は見たいところです。
ディズニーランドのお隣イクスピアリにて鑑賞。この映画館は単館系もよく上映してくれるので気に入ってます。
今回も『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』とか『gifted/ギフテッド』とか、見たい映画が色々あって迷いました。
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『ルイの9番目の人生』 

もっとファンタジーかと思っていたので、ちゃんと犯人のいるミステリーだったことに驚きました。
でも普通のミステリーとはかなり異なります。
どこか不思議で、ダークファンタジー的な部分もあり、個人的にはそのあたりが一番面白かったです。(但しギレルモ・デル・トロに通じるとヤフーの解説にありましたが、『パンズ・ラビリンス』ほどの強烈さは全くありません)

生まれてから毎年命にかかわる事故に見舞われてきたルイは、9歳の誕生日に崖から転落し、奇跡的に命を取り留めるが昏睡(こんすい)状態になってしまう。彼を目覚めさせようと担当医パスカルが奔走する一方、ルイの周囲では父親が行方をくらまし、母親のもとに誰からのものかわからない警告文が届くなど、不可解な出来事が頻発。さらにパスカルも悪夢に悩まされ……。(シネマトゥディ)

ネタバレ注意!
ルイがとても可愛くて賢くて生意気で、この子と関わった大人たちはみんな魅了されるのも分かります。
同時に学校では友達から浮くのも分かります。
ルイのママ、めっちゃ美人です。
どこかで見たことあると思ったら、私の好きなジェイク・ギレンホール主演「複製された男」で、主人公とそっくりな男の妻役でした。(注:ギレンホールが好きなんであって、この映画はあまり好きではありません)
この両親、パパは昔結婚していたのですが、ママにクラッときて再婚。ルイはママの連れ子です。
パパの前妻にばったり再会するシーン。前妻は新しい家族ととても幸せそう。パパとママは円満とは言えずパパは悩んでいる様子。
後にルイにこんな話をします。
「いつも笑ってる女の人といつも泣いてる女の人がいて、笑ってる女の人を愛していたけれど、泣いてる女の人に同情して、パパが付いていてあげなければと思ってママと結婚した」と。
ラスト、親の愛に思いがけず泣けます。

見終えた後、しみじみ思いましたね。
「(笑ってる女性を)この女は一人でも生きていけるけれど、(泣いてる女性は)俺が付いていてあげなければ…」と多くの男性がいかにも思いそうですね〜。はい、男の人は本当に優しいですね。
しか〜し!もしも私に息子がいたら、「泣いてる女と笑ってる女がいて2人の間で迷ったら、絶対に笑ってる女と結婚しなさい!」と幼少時から家訓として叩き込む、と思いましたね。
この映画は多くの未婚男性、及び未婚の息子のいる人は見ておいたほうがいいです。
まあ、でもねえ。あんな美人に頼られたら、そりゃあ無理もないと思いますよ。女の私から見ても。
というわけで、この映画を見て、友人Tとの感想は毎度ながら
「男ってホントにバカだね〜!」というものでした. (^^;)


DVD録画映画
WOWOWも毎月料金払ってるのに気がついたら全く見ていない!これはもったいないので、退会しようか迷いつつ、まずはちょっとずつたまってる録画を見始めたものの、まとまった時間が取れず、1時間見て、続きをまた後で…という見方なので、完全に集中力を欠いています。こんな見方をしては映画に申し訳ないと思いつつ、でもやっぱり映画っておもしろ〜い♡

「マダム・フローレンス!夢見るふたり」 監督スティーヴン・フリアーズ
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ニューヨーク社交界の顔にしてソプラノ歌手でもあった実在の女性、フローレンス・フォスター・ジェンキンスをモデルにしたドラマ。絶望的な音痴であるにもかかわらずソプラノ歌手になる夢を追う彼女と、それをかなえようと奮闘する夫の姿を描く。(シネマトゥディより)

メリル・ストリープと、ヒュー・グラントが夫婦役で実在の大金持ちで音楽が生きがいの妻、それを支える献身的な夫を演じます。
芸達者のふたりですから、もちろん面白くて可愛くてホロリとさせる。
ちょっと意外だったのは監督はあのスティーヴン・フリアーズ(イギリス人)なこと。私は「グリフターズ/詐欺師たち」や「ハイ・フィデリティ」が好きなので、もっとひねりとオタ臭のする映画をとる人という印象でしたが、最近ではヘレン・ミレンがエリザベス女王を演じた「クィーン」やジュディ・デンチ主演の「あなたを抱きしめる日まで」など高齢女性を主演にした映画で光ってるようです。
「あなたを抱きしめる日まで」はお気に入りの映画で、10代で未婚の母となり幼い息子と強制的に引き離されたデンチが50年後ジャーナリストとアメリカに息子を探しに行く実話です。
深刻な感動作にできそうな物語ですが、イギリスとアメリカの文化の違いや、女性のずれてるキャラクターにキャリア挽回を狙うジャーナリストが振り回される姿もおかしくて、イギリスらしい乾いた笑いが効いてるドラマです。
それに比べると、この「マダムフローレンス」はフリアーズ監督にしてはちょっとひねりがない気もしましたが、素直に笑えてホロリとさせられます。
しかし長年ピアノを弾いてきた音楽が生きがいの人で、自分が絶望的な音痴であることに気がつかないってすごいですよね。
私の中学時代の友人は、中学時代クラス対抗合唱コンクールで彼女のあまりの音痴ぶりに周囲が迷惑なので、ピアノ伴奏にしたのですが、その後音大に進み、今も中学の音楽教師をしています。ま、私も音楽に関しては人のことは言えませんけど。

これはWOWOWで録画したのですが、小山薫堂(くまモンの生みの親?)と信濃八太郎(イラストレーター)が映画の後、コメントし合うのですが、「彼女が大金持ちだから成り立つ話か?」との問いに、コメンテーターの二人の意見が食い違います。私もやはり大金持ちだから成り立つ話と思いますが、それとは関係なく夫婦の愛の物語として素直に感動できました。ヒュー様、相変わらずいい味出してます。見れば見るほどしまりのない顔してるのに不思議な人だ( ´ー`)


「女は冷たい嘘をつく」 監督イ・オンヒ
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元夫と調停中のシングルマザー、ジソン(オム・ジウォン)は中国人ベビーシッターのハンメ(コン・ヒョジン)に娘の世話を任せ、仕事に追われていた。そんな中、突然ハンメと娘が失踪し懸命に捜すが見つからず、警察に訴えても誰も彼女の話を信じない。ジソンが単独で追跡を続けるうちに、名前も年齢も全てうそだったハンメの衝撃的な真実が明らかになり……。(シネマトゥディより)

原題は「MISSING(行方不明)」
でもこの邦題、この設定から思い出すのはアメリカ映画「揺りかごを揺らす手」
復讐の鬼と化した女がモンスター化して殺人も起きたような(記憶曖昧)
それに比べると、こちらはもっとずっと悲しい物語です。
まず出だしからしてヒロインの生活が分刻みで全く時間的、精神的余裕がなく、見ていて辛いほど。
そんな中、韓国語は怪しいけれど親身に娘の面倒を見てくれるハンメを信頼していたのに……
しかし、殺してやる!と叫んでいたジソンもハンメの人生を追うにつれて同情を禁じ得なくなるくらい。
そして出てくるダンナ&姑がどいつもこいつも腹たつわ〜!
エリート医師のジソンの夫と姑といい、ハンメの夫と姑に至ってはこの人たち人間?と思うほど。
しかし個人を悪い奴にして終わらないところが、韓国映画(のような気がする)。
中国人花嫁、医療費を滞らせた患者への病院の対応、怪しすぎる風俗店、ブローカーの男、韓国社会の闇部分が次々描かれます。
「揺りかごを揺らす手」が個人的な恨みサスペンスだったのに比べ、韓流以外の韓国映画を見るたびに、韓国社会の闇の深さにおののきます。
加害者と被害者、2人の女にはラスト、一瞬の絆が生まれます。
サスペンスというよりも、悲しい女の人生が見ていて辛い映画でした。
日本も女のとってそんなにいい国だと思わないけれど、韓国、女にとって非常に生きにくい国に見えました。
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コメント

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Re: 笑ってる女性がいいよね♪

瞳さん、こんにちは。

> tontonさんの感想、とっても楽しいですよーー。
> いつも頷きながら読んじゃうな。

ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです♪
ずいぶん前に書いたものを今回読み直して見て、なんか変なこと言ってて自分でもびっくり(笑)

> 息子が一人いますが(そろそろ彼女が出来てもいいんじゃないかというお年頃)、
> 笑ってる女性を!!これ、教えとかなきゃいけないですね(笑)

そうそう!パパの前の奥さんが明るくて、ああいう人となら幸せな家庭が築けそうなのにねぇ…と思ってしまって。
でもあんな美女が泣いてたら、突き放せる男性はいないでしょうね〜。

> その点、うちの息子はそこまで頑張る?タイプじゃないので大丈夫かな(笑)

ぜひ息子さんにこの映画を見せて、サラ・ガドンに誘惑されそうか?聞いて見てください(笑)

> いろんなジャンルの要素が混じった作品でしたが、とっても良かったです。

確かに〜!ファンタジーのようなミステリーのような、不思議な映画でしたね〜。
本、うちの近所の図書館にはありました。早速予約入れました。

笑ってる女性がいいよね♪

おはようございます~。

「ルイの9番目の人生」公開時に劇場でご覧になってたのね~。
tontonさんの感想、とっても楽しいですよーー。
いつも頷きながら読んじゃうな。

息子が一人いますが(そろそろ彼女が出来てもいいんじゃないかというお年頃)、
笑ってる女性を!!これ、教えとかなきゃいけないですね(笑)
でも悲しそうな、しかも美人の女性を笑顔にしてあげたい~!そう男性は思うんだろうなあ。
その点、うちの息子はそこまで頑張る?タイプじゃないので大丈夫かな(笑)
パパの前の奥さんは全然タイプ違う人でしたよねぇ。

いろんなジャンルの要素が混じった作品でしたが、とっても良かったです。

Re: No title

> この一文を見て、20年以上前に読んだ呉善花著「スカートの風」を思い出しました。
> 韓国って儒教の教えが生活全般に根を下ろしていて、女性は家に縛り付けられ、抑圧され、貶められ、自由もない。こんな国に生まれなくてよかったとホッとしたのを思い出しました。

この本は読んでいませんが、ずいぶん評判になりましたね。もうずいぶん前なんですね。
この映画のヒロインはキャリアウーマンなんですが、夫の家族との軋轢はすごくて、日本以上に社会の変化が早いので、世代間の意識の差が大きいんでしょうね。
私は以前、韓国人の友人がいましたが、韓国人は自己主張がはっきりしているので、その辺は日本人よりストレス少ないかも?

> しかしtontonさんがご覧になった映画のラインナップを見ていると、いかに自分がメジャーな娯楽作品しか見ていないか思い知らされます。映画はしんどい現実から逃避するための時間なので、いいんですけどね(苦笑)。

ええ私も映画見てわざわざ暗くなりたくないです(笑)やっぱり映画は内容がたとえ社会派でも、見ていて娯楽的面白さが必須だと思います。
これはミステリーと思って見たら、思いの外、女の辛さに悲しくなりました。

No title

また3本とも見ていないのですが、ちょっとだけ参加させてください。

>日本も女のとってそんなにいい国だと思わないけれど、韓国、女にとって非常に生きにくい国に見えました。

この一文を見て、20年以上前に読んだ呉善花著「スカートの風」を思い出しました。
韓国って儒教の教えが生活全般に根を下ろしていて、女性は家に縛り付けられ、抑圧され、貶められ、自由もない。こんな国に生まれなくてよかったとホッとしたのを思い出しました。
韓国の女性って、今もそれほど変わっていないのかもしれませんね。

しかしtontonさんがご覧になった映画のラインナップを見ていると、いかに自分がメジャーな娯楽作品しか見ていないか思い知らされます。映画はしんどい現実から逃避するための時間なので、いいんですけどね(苦笑)。

Re: 私の処方箋

> 「美女に誘惑されない」男は、非凡な男だべさ?

あ、これはルイのパパはボクサーだったし、パスカルは医者でしょ?
ナタリーは誰でもいいわけじゃなくて、自分を守ってくれる人を誘惑するのかな?と思って。
だから平凡な男性はナタリーも誘惑のターゲットにしないかと思って。


> ここはひとつ、アニマル浜口をぶつけてみよう。
> 「奥さん、こういう時こそ気合いですよ。気合いだ、気合いだ、気合いダー!」

それはかなりグッドアイデア!
確かに強くてナタリーも安心しそうだわ。

> おたくの娘さんには、
> 「アニマル浜口みたいなのにしとけ」

それは微妙にあなたの趣味では?(笑)

私の処方箋

>娘らにはその中間のフツーの、
>美女に誘惑されない平凡な人…

「美女に誘惑されない」男は、非凡な男だべさ?
すごくもてない男なら、「いや、私を本気で誘惑するはずがない。ワナだ」
って警戒して、その結果、誘惑被害未遂に終わるかもしれないけど。

ナタリーみたいな女には、どんな男を差し向けてやろうかねぇと考えてみたんだけどさ、
ほら、私は優しいヒトだから、意地悪なことは考えないわよ。
やっぱり心優しい男がいい。それでいて骨抜きにならないヤツ。
ここはひとつ、アニマル浜口をぶつけてみよう。
「奥さん、こういう時こそ気合いですよ。気合いだ、気合いだ、気合いダー!」

……ってやるの。

『チャンス』のピーター・セラーズもいいな。とんちんかんな植物の話を始めるのよ、あの穏やかーな口調で。

そういう男が連続して3人くらい現れたら、あほらしくなって代理ミュンヒハウゼン症候群など引っ込むんではないだろか。
だめか。

おたくの娘さんには、
「アニマル浜口みたいなのにしとけ」
とお伝えください。

Re: 好きにしなはれ

この映画に出てくる女性たちが、ヒロイン以外はみんなキリッとしてて、同性から見て魅力的なタイプだったね。
しかしもはやおじさん化している私には、このヒロインにグラっとくる男性たちの気持ちも分かる気がしたね〜。
こういう弱い女の人、最近の洋画ではあまり見ない分、新鮮でもあった。

>女は守るべきものなどと思う男は単純過ぎるけど、「女はボクちゃんを守るべきなのだ〜」なんて調子で常に母性の強い女をあてにしているようなヤツもいて、

うん、もはや自分はカンケーないからどうでもいんだけどね。娘らにはその中間のフツーの、美女に誘惑されない平凡な人…ってあんまり面白くないわね(笑)

> 中国人の養子が出てきた瞬間、「私が洋画の画面に現れたら、こういう感じに見えるよなー」と思ったので、
> 後でルイが「あの女の人と一緒にいたら、パパは今頃、ブサイクな子供達の父親だよ」という言葉が胸にぐさぐさと刺さったわ。

西洋人から見た東洋人ってみんなああいう感じだよね。西洋人には東洋人の区別なんてつかないんだよ。
でも私もあの台詞は東洋人まとめて敵に回してるな、と思った(笑)

好きにしなはれ

「この娘には、俺がついていてやらなければ」などと思うのは、その手合いの女の戦略にまんまと嵌っているのであり、男のお馬鹿な優しさだし、しょうもない自己陶酔だとは思うんだけど、
その一方で、こういう女を見た瞬間に「くわばらくわばら」と、さっさか逃げを打つ男というのもどうなんだ……って思うのよねー。
そのへんの加減が難しいのよねー。

女は守るべきものなどと思う男は単純過ぎるけど、「女はボクちゃんを守るべきなのだ〜」なんて調子で常に母性の強い女をあてにしているようなヤツもいて、とてもお近付きにはなりたくない。

まあいいや。身を滅ぼすなり足掻き続けるなり後悔し続けるなりダメ男クズ男と呼ばれるなり、みんな好きにおし。私も好きにするから と思うしかないのであった。

ところで、ルイは賢くて魅力的だけど、きれいな顔して相当むごい。
中国人の養子が出てきた瞬間、
「私が洋画の画面に現れたら、こういう感じに見えるよなー」と思ったので、
後でルイが「あの女の人と一緒にいたら、パパは今頃、ブサイクな子供達の父親だよ」という言葉が胸にぐさぐさと刺さったわ。

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映画と本の備忘録。…のつもりがブログを始めて1年目、偶然の事故から「肺がん」発覚。
カテゴリに「闘病記」も加わりました。