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読書メモ

book
05 /30 2019
『マレスケの虹』森川 成美 :著
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第二次世界大戦期のアメリカ・ハワイ。日系二世の少年マレスケは、よろず屋を営む祖父の元で貧しくも平和に暮らしていた。だが、1941年12月、日本軍による真珠湾攻撃を境に環境は激変してしまう……。
敵か味方か―。戦争はどっちかにつかなきゃならない。もちろんぼくは、アメリカの側に立っているつもりだ。だけどふしぎなことに、あっちがつかせてくれない。日本はぼくらを裏切り、アメリカはぼくらを疑っている。1941年12月、ハワイ―ぼくらは、ぼくらの国の「敵」になった。(「BOOK」データベースより)

第2次大戦中のアメリカ本土の日本人収容所の話は割と有名ですが、日系の多いハワイにおける開戦時の話は初めて読みました。何と言ってもパールハーバーはハワイなわけですから、その衝撃は大きかったと思うのですが、児童書ということで踏み込んだ具体的な描写が少なく、読後感は少々物足りないものがあります。
それでも1世と2世のアメリカ人としての感覚の差や、日系人だけの部隊第442連隊戦闘団が当初アメリカ本土からの志願者を多く見積もっていたところ、ハワイの日系からの志願者が予想以上に多く、その比率を逆にした話。同じ日系でも生真面目な本土出身者に対し、のほほんとしたハワイの兵士の性格の違いなど、もっと具体的なドラマとして書き込んだら、面白い小説になったと思います。
最後に戦死した兄からマレスケ宛ての手紙は涙を誘います。

『火の粉』雫井脩介:著ネタバレあり
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元裁判官で、現在は大学教授を務める梶間勲の隣家に、かつて無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた。愛嬌ある笑顔、気の利いた贈り物、老人介護の手伝い…武内は溢れんばかりの善意で梶間家の人々の心を掴んでいく。手に汗握る犯罪小説の最高傑作。(「BOOK」データベースより)

ミステリー大好きH子オススメの一冊。
面白かったです。最近読んだ「カササギ殺人事件」も面白かったのですが、やはり舞台が日本ということで、怖さも倍増。
読み出したらノンストップで、またまた睡眠不足になりました。
前半の老人介護における家庭内の描写が秀抜。
元裁判官の主人公、周りには母の介護を理由に退官し現在は大学教授職ですが、だいぶ時間も取れるようになってるにも関わらず、休日新聞を読んでる時、寝たきりの老母が妻を呼んでても新聞から目を話すことなく、家事に追われている妻に「おい、呼んでるぞ!」って、「あんたが行け〜!」ですよね(笑)
またこの50代妻が出来すぎ。月に数回来る義姉がめちゃくちゃうるさい小姑で、そんなに実母が大事なら、「どうぞお姉様、遠慮なくお宅に連れて帰って思う存分親孝行してください」と私なら絶対言います。ケンカ売ってるわけではなく、それが全員にとって一番幸せな解決策だと思うから。
とはいえ今現在再び”介護のカオス”な状況でして、最近ほとんどこの件に費やされてた身としては、この前半の老人介護のところが他人事じゃなく、妙に響いてしまったのです。そんな時、溢れんばかりの善意で接してくる隣人がいたら……
この人は極端すぎて完全に異常なんですが、考えようによっては、尽くす女が裏切られたら…逆ギレして刃物沙汰みたいなタイプ?う〜ん、ちょっと違うかな?

『死に山』: 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相 ドニー・アイカー:著 ネタバレあり!
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1959年、冷戦下のソ連・ウラル山脈で起きた遭難事故。
登山チーム9名はテントから一キロ半ほども離れた場所で、この世のものとは思えない凄惨な死に様で発見された。
氷点下の中で衣服をろくに着けておらず、全員が靴を履いていない。三人は頭蓋骨折などの重傷、女性メンバーの一人は舌を喪失。遺体の着衣からは異常な濃度の放射線が検出された。
最終報告書は「未知の不可抗力によって死亡」と語るのみ――。地元住民に「死に山」と名づけられ、事件から50年を経てもなおインターネットを席巻、われわれを翻弄しつづけるこの事件に、アメリカ人ドキュメンタリー映画作家が挑む。
彼が到達した驚くべき結末とは…!(「BOOK」データベースより)

というホラーめいたドキュメンタリーを読みました。図書館で予約すること数ヶ月。
いや〜、どんだけ不気味で怖い話かと思いつつ読んでみたら…意外や意外、読後心に残るのは「正しい青春」。
冷戦下のソ連の青春、どんだけ暗いかと思いきや、意外なほど明るく、まさに若者らしい若者たちの姿があります。
ネットも携帯もない時代の山男山女たちの健全なこと。当時の装備や宿泊地、食べ物、列車や車、どれも今の基準から見ると信じられないくらい貧相で過酷ですが、本格トレッキングで鍛えている大学生たちの体力には本当に感心しました。人間関係にも心温まるものがあります。例えば疲れ果てた彼らが小学校に泊めてもらうと、小学生たちが彼らとの別れを惜しんで泣いて駅まで見送りに来てくれたり、山の中で森林労働者や元受刑者とも何のためらいもなく打ち解け、元受刑者をスラヴァおじいちゃんと慕ったり。物を譲り合ったり助け合うのが当たり前だった時代の人間関係を思い出します。私も若い頃、彼らとは比べようもないのんきな旅行でしたが、バブル前夜の'80年代前半としては珍しいビンボー旅行だったためか、行く先々で見知らぬ人々に助けられ、それを当然のよう享受していたことを思い出しました。
また当時のソ連は男女平等が徹底していたそうで、そんな中の2人の女性と8人の男性(一人は体調不良で最後のキャンプ前に離脱、そのため唯一の生存者になる)の関係も、同じ山仲間として健全そのもの。(実は3人の男性はジーナという魅力的な女の子が好きだったようです)
彼らは事あるごとに歌を作り、みんなで歌い、”愛”について討論し、笑顔で写真に写り、架空の新聞を作ってふざけています。
この本はアメリカ人作家がネットでこの不気味な遭難事故にハマり、ついに同じ時期のウラル山脈の遭難現場を訪ねる取材の旅(2012年)と、1959年2月戻らない学生たちを探す捜索隊の旅、そして1959年1月〜の学生たち自身のトレッキングの旅が交互に展開する3部構成になっています。その構成の巧みさもあり、分厚い本ですがとても読みやすく、あっという間に読み終えました。
最終的には、この10年ほどで科学的に解明された現象、ホラチャフリ山の形と強風の気象条件がカルマン渦列を生み、そこに強力な超低周波音が生まれ…という超低周波音原因説に結論づけます。
妙な化け物説や、不気味な陰謀説に落とさなかったことに説得力がありました。それだけに最後の晩を再現した場面の若者たちを襲った悲劇は衝撃的です。翌朝には山頂を目指して希望に満ちていただろう彼らを思うと胸が詰まりました。
遭難した大学生たちやその家族、当時の捜索隊の人々、現在の自分の取材を助けてくれた人々への敬意が感じられる点にも好感が持てました。

『祝葬』久坂部羊:著
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久坂部羊のこの作品は知りませんでした。クロエさんのブログで知って、早速図書館へ。
最初の章はミステリー。次の章は恋愛小説?。第3章は、と色々テイストを書き分けている様子。
全体を通じ、医師という職業の背負う”業”を感じました。

話は逸れますが、私の出た高校はやたら親が医師の人が多く、一般的に見ると私の友人もお嬢様が多いです。
私は公立をたまたま落ちて行ってしまっただけで、私の出身中学は授業中警察が乗り込んでくるぐらい荒れており、先生方もドスを効かせてて2人称は「てめえら」、女子も昼ご飯の時は「メシ食おうぜ」が標準語だったため、この高校の同級生の話し方に当初違和感を持ち、「なんて変なとこに来ちゃったんだろう…」と落ち込んだものです。
でも親しくなれば、表面はお嬢様だけど変な娘はいるもんで、すぐに友だちができましたが。

医師という職業は、手堅く高収入ということで人気の職業ですが、ちょっと頭いいからって気軽になってもらっちゃ困る!と私のような病弱?な人間は思うのです。だって大病した時の患者にとっては、主治医はある意味「神様」なわけです。癌患者にとって神様の一言は大きくて、「それは私の考えと違うわ」というほどの知識があれば別ですが、普通の患者にとっては、ちょっとした一言が御宣託になってしまう場合もある。
でも医師だってもちろん普通の人間ですし、西洋医学はパーツ毎に見るので、患者の性格まで把握するのは並大抵じゃないと思います。でもえらそーに言っちゃうと、心の片隅に医者という職業の持つ「業」については自覚してもらいたい、というのが個人的な希望かな。個人的にはいい先生に恵まれて医療不信に陥らずすみました。

この小説は医療というものの根本に疑問を感じている久坂部氏の想いがあちこちに出ています。特に第4章と終章の徹底的ながん治療と長生きの皮肉は強烈です。特に終章は1章で亡くなる祐介の兄信介に祐介の親友だった手島が会いに行くと、脳梗塞の後遺症で感情崩壊している91才の信介。その屈託のない笑顔を見て、医療現場で悲惨な長生きを見過ぎ、長生きにネガティブな印象しか持てなかった手島も、体が不自由になっても気の持ちようで生は輝くと思う。…ここでいい感じで終わると思いきや、この後、とんでもないどんでん返しがあるところが、久坂部羊らしいというべきか?
すごく面白かったけど、ちょっとブルッとしちゃう怖さのある小説でした。

長生き。個人的なことになりますが、先日両親を近所のホームに移転させたのは、よかったのか?悪かったのか?
父は相変わらずマイペースで、今度のホームは男性も多いので囲碁をしたり、今度の方がご飯が美味しくて(実際食べ比べてみた)快適に過ごしています。しかし散々見学もして、我々が通いやすいし、母にとっても馴染みのある土地で、「ここに来たい」といったはずの母は、環境のわずかな違いがいけなかったのか?毎日怒りと泣きが入り、ボケも進行してしまったように見え内心焦っています。そもそもホームに入れたのに、なぜ毎日通わなくてはならないのか?でも母が帰りたがっている自宅はすでに荒れていて、あんな古くて段差だらけの家にいたら、速攻転んで入院するか、火事出すかで危なくて無理。
父はマイペースですが、帰り際に必ず「ありがとう」と言ってくれます。ヘルパーの人たちにもコミュニケーションは求めませんが、感謝の言葉は必ず添えるので問題は無い。
母はどこまでも女王様気質のため、食堂の席も母のために気の合う人を次々変えてくれ、最近ようやく同じ東京出身の早口で社交的な人とやや気が合うようです。しかし前のホームのいかにも山手の奥様といった風情の人ととても馬が合っていたので、「〇〇さんをこのホームに呼んできて!」と冗談ではなく言いだしています。家族の連絡先が分かれば、本当にそうしたいくらいだけど、利用者が以前のホームからお客引き抜くって…どうなんだ?
何から何まで自分の思い通りになるはずもないのに、それが当然のように生きてきた母はとても恵まれた人生だったと思えますが、果たしてそれは幸せなのか?最近両親を見ていて、「幸せ」ってなんだろう?などといい歳して考えてしまいます。

この小説に戻りますが、終章はガンも治る病気になった近未来の設定です。そこにはグロテスクとも言える長寿の世界が描かれています。
この肺がんで死にたくは無いけれど、そして今ガンで闘病中の人にはこんなこと言えませんが、ガンが完全に治る病気になるのは必ずしもバラ色の未来とは言えないかもしれません。
ガンが長期間、共存できる病気になり、いい加減なところで治療を打ち切れば死に至る、という余地を残すのは悪くないなぁと思えました。

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DVD鑑賞『ブリグズビー・ベア』『スプリット』『ヒストリー・オブ・バイオレンス』『彼女が目覚めるその日まで』

cinema
05 /15 2019
ブリグズビー・ベア (2017)監督:デイヴ・マッカリー
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赤ん坊の時誘拐され、25年間シェルターに幽閉、誘拐犯人夫婦の作った「ブリグズビー・ベア」という銀河を救うクマの冒険物語だけを見て育った25歳のジェームス。毎週届けられるそのビデオは彼にとって世界の全てだった。本当の両親の元に帰り現実社会への復帰に苦労するも、周囲の協力を得て、「ブリグズビー・ベア」の続きの映画を撮ろうとする。
かなり奇妙で、心温まるオタク映画。
誘拐犯の父をマーク・ハミル、セラピストにクレア・デインズ(「ロミオ&ジュリエット」)など、懐かしのキャスト。
子供向けのチープな着ぐるみ映画だが、内容は壮大な銀河を守るSF大作らしいブリグズビー・ベア。
純粋培養の青年が誘拐されていた25年間見続けたお子様映画を完成させようと思いつくと、刑事から妹の友人たち等、周囲のみんなが協力してくれ、その着ぐるみ映画の撮影が現実に復帰するためのセラピーになっているというお話。とってもハートウォーミングなファンタジーで、ヒネタおばちゃんには物足りなかった。誘拐してきた子供に毎週新作を制作して見せてきた誘拐犯夫婦の心情の方がよほど興味深い。そっちの方を描いたドラマだったらより興味深い人間ドラマになったと思う。

『スプリット』(2017)監督:M・ナイト・シャマラン
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M・ナイト・シャマランが監督、製作、脚本をこなして放つスリラー。3人の女子高校生たちを連れ去った男が、23もの人格を持つ解離性同一性障害者だったという衝撃的な物語。
これは「アンブレイカブル」「ミスター・ガラス」と3部作になっている映画。「アンブレイカブル」は見ていますが、「ミスタ・ガラス」は未見です。超能力というものに新たな視点を示した作品。
ジェームズ・マカヴォイが23人格プラス1を演じています。9歳の男の子、潔癖症、ファッションデザイナー、知的な女性とくるくる顔つきやしゃべり方が変わり、ついに24人各目”ビースト”が生まれる!
監禁された女子高生のうちの1人、ケイシーの幼少期の森での思い出が並行して描かれ、クライマックスで物語がクロスします。ケイシー役の女の子、いわゆるアメリカンな女子高生とは一味違うオタク好みの女の子でした。「ミスター・ガラス」も見てみたい。


『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(2005)監督:デヴィッド・クローネンバーグ
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クローネンバーグでR15、でもあのヴィゴ・モーテンセン(グリーンブック)主演ということで見てみました。「ロード・オブ・ザ・リング」で女性ファンの心を掴んだヴィゴですが、「ロード」後に、クローネンバーグと組んで「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「イースタン・プロミス (2007)」とバイオレンスな役に続けて出演。
人々に信頼される田舎町のダイナー経営者、よき夫、よき父親のヴィゴが店に押し入った連続殺人犯の強盗を倒し、人々の命を救い、ヒーローとして報道される。そのニュースを見て、遠方から来たかっての知り合いらしいギャング達に付きまとわれる。
善良な男が見せる突然の殺人マシーンのような動き。体に染み付いた捨ててきた過去が蘇る瞬間のヴィゴがコワかっこいい!
この俳優はとてもハンサムですし、家族に見せる眼差しも優しいんですけど、目の色が薄いせいか、冷酷人格にスイッチした時が妙にハマってます。ラスト、見るものに委ねられるラストでしたが、戻ってきたヴィゴは家族に受け入れられるのか?ラブラブ夫婦なのできっと大丈夫でしょう。

『彼女が目覚めるその日まで』(2016) 監督:ジェラルド・バレット
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カナダ・アイルランド映画というので興味を持って見始めたら、舞台はニューヨークで主演がクロエ・グレース・モレッツなので、あれ?と。ローカリティを期待する映画ではありませんでした。
NYポストの若い記者が物忘れ、幻覚幻聴、躁鬱、全身けいれんと次々に症状に襲われるが、どこを調べても異常なし。その間にもどんどん症状は重くなり、ほぼ寝たきりに近い状態に。
精神病と診断され専門病院に送られそうになるが、一人のインド系女医が自分の師に意見を求め、このインド系医師によって「抗NMDA受容体脳炎」という自己免疫疾患により自分の脳が炎症を起こしている状態と発見される。原題は BRAIN ON FIRE。まさに脳が免疫に攻撃され燃えて、自分の精神が閉じ込められてしまっている状態。
様々な自己免疫疾患があり、随分解明されてきているようだが、こんな恐ろしい病気もあったとは!?
エクソシストの女の子はこの病気だった、という説もあるそうです。
離婚している両親とミュージシャンの恋人が懸命に彼女を支えますが、最後に実話の本人の写真が出てきて、この闘病を支えた恋人との結婚式の写真も。双極性障害や統合失調症とされてきた中には、実はこの病気もあるのではとのことです。
自己免疫疾患、敵が自分だけにややこしい。あ、ガンも自分の細胞から始まるんでしたね。自分の敵は自分、というケースは手強い病気が多いようです。
クロエちゃんのお母さん、どこかで見たことある顔だな〜と思ったら、マトリックスのキャリー=アン・モスでした。肉体派のイメージが強かっただけに、こんな知的な顔の中年女性になっていたとは。
ところで邦題だとずっと意識不明みたいですが、クロエちゃん、意識はずっとあります。

『ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち』パナソニック汐留美術館

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05 /06 2019
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ようやくGWも終了ですね。私はご近所散歩数回と美術館に2日間出かけたのみ。友人宅で年に数回集まるメンバーでおいしいつまみを肴にお酒をいただいたのが一番楽しい一日でした。予定していた断捨離は予定の1/3程度。それ以外は親の問題で出かけることが多かったです。
5日朝のNHK「日曜美術館」はギュスターヴ・モロー展の特集でした。平野啓一郎がテカテカ光るブラックスーツでホストっぽく決めて案内人をしていました。それを見て「ある男」をH子から借りたまま読み忘れてることを思い出した私。
ゲストは「怖い絵」で有名な中野京子さんと、我らが小学生時分「オラは死んじまっただ〜♪」という歌が大ヒットしたフォーククルセダーズでただ一人ご存命な北山修(精神科医)の二人。普通だとNHKの教養番組らしくゲストたちは綺麗に話をまとめるのですが、この二人の意見が真っ向から対立。最後まで中野さんが何か言うと、北山修がチャチャ入れて、お互いニコニコしながらどこまでも意見が噛み合わない様子が面白かったです。中野さんは面白い人で、モロー晩年の作品のことを「やたら細かく書き込んでいて、まるで『大金持ちのゴミ屋敷』」と評したのには大笑いしてしまいました。
この作品は今回の展覧会にはなく、モロー個人美術館の動画の中で映されていました。人物がつけている宝飾品などとてもリアルで実物をぜひ見てみたいと思った作品。
夫とその番組を見て、日曜美術館で取り上げられると混み出すから、今日行ってしまおう、と午前中から外出。
今回のモロー展はざっくりした習作が多いため、「大金持ちのゴミ屋敷」的作品は残念ながらありませんでしたが、一枚の絵が出来上がる過程がよく分かる興味ふかいものでした。
男を翻弄し破滅へ導くファム・ファタル(宿命の女)特集だそうですが、神話の世界って(知性ゼロな表現ですみませんが)エロくてヤバい人々がたくさんいるなぁ(笑)
だいたいゼウスはん、惚れた女性を誘惑するためには白鳥に化けたり、牡牛に化けたり、この方、確か美少年に惚れて鳥類にも化けてたはず。
サロメちゃんも踊りの対価にヨハネの首を王に所望するって、あ〜こわ!
と毎度お馴染みのどんな芸術も自分のレベルに貶めてしまう悪いクセを発揮しながら鑑賞させていただきました。
だから感想は「あ〜変な人がいっぱい見れて面白かった〜♪」と言うしょうもない美術鑑賞ながら、朝番組見て、速攻出かけたおかげでゆったり鑑賞できましたが、見終えてミュージアムショップ眺めていたら、外はもう入場制限で長蛇の列。
フットワークよく出かけてきてラッキーでした。
珍しく美術など全く興味のない子供も一緒でしたので、汐留の高層ビル上階でお台場でも眺めながらランチしようと42階の和食の店に入ったら、窓際の席に通されたものの、目の前にはドド〜んと電通本社ビルが。全く視界が開けません。休日なのにせわしなくエレベーターが上下して働く人々の姿が見えました。電通社員大変だなぁ。
帰り道、親の老人ホームにみんなで寄りましたが、ホーム移ることも完全に忘れてました。でもシクシクしてなかったので、ホッとして帰宅。

GW『藝大コレクション展 2019』『ごとう あや展「あたらしい星のありきたりの庭」』

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05 /02 2019
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GWいかがお過ごしですか?
両親の老人ホームを変わることになり、新しいホームに話を聞きに行ったり、両親を連れて見学に行ったり、新しいホームのケアマネとの面接等々で過ごしましたが、その合間を縫って、美術展に行ったり、友人宅で飲み会に呼ばれたり、本当は断捨離に当てたかったのですが、洋服をゴミ袋3つ分と食器を捨ててプチスッキリしたものの、一番やりたかった書類関係の処分は進んでいません。

それにしても年寄りというものは、これほどわがままなものなんでしょうか?
そもそもの始まりはGW前、すっかり足が弱った父を連れて温泉に行こうと姉と企画、両親と兄弟3人、孫たちのうち3人が参加、総勢8人で車で近場の温泉に一泊旅行に出かけたのが4月中旬。
なかなか豪華旅館で、みんなで温泉に浸かり、お酒を飲み、ごちそうを食べ、桜と菜の花のキレイな風景を楽しみ、思いの外楽しい旅行で、父と旅行なんて小学生以来!(でも我が家には痛い出費でした(>_<))
しかしこれが母に里心をつけてしまったようなのです。
そこから連日ここ(ホーム)から出ると言い出し、なだめに通うものの、同じ市内といっても行きづらい場所なこともあり、正直しんどいな〜と思っていたところ、いつものように母に会いに行くと、しっかり部屋の鍵を閉めていてなかなか開けません。ようやく開けたと思ったら、ワンワン泣いているのです。
「どうしたの?」と聞くと、窓の外を指し「この景色が知らない場所なのが嫌だ」と言います。
さらに「もうご飯を作ったり家事はしたくないから、こういう3食出て来るマンションでいいけど、もっとあなたの家のそばにして。」と言います。
今両親が入っているホームはマンション型で、ケアマネと相談してサービスをつけるタイプ。
介護の必要ない元気な若い人も入っているため、ホームの雰囲気がとても明るく、毎日何やらかのイベントやらカルチャーもあり、友人もでき、母はとても楽しそうに見えたのですが、ともかくワガママな婆さんなんで言い出したら聞きません。
そんな折、会計担当の姉が確かに今のホームだと●年で貯金が底をつくと言い出し、二人で探してみると、何と家から20分かからず歩いて行ける場所に新しいホームが出来ていました。
見学に行ってみると、母にとってまだ元気だった頃、買い物に街に出る途中の道で、とても風景に馴染みのある場所なのです。おまけにちょうど部屋が開く予定。両親を連れて見学に行くと、父はともかく母はすっかり気に入り、ここに住みたいと言います。
ここはいわゆる介護付き老人ホームのため認知症の人も多く、今のホームがセンスが良くオシャレなのに比べ、壁に折り紙が貼ってあったり、幼稚園的飾りがあったり、私だったら絶対イヤだなと思うのですが、考えたら母も認知症なので気にならない様子。何と言っても値段も安くなるし、ここならトンちゃんのお散歩ついでに毎日顔を見に来ることも可能です。(別に毎日会いたくはないんだけどさ)
まあそんなこんなでGWも親関係がメインです。
こんな事情で色々予定が狂いましたが、ご近所散歩でステキな個展に出会えました。
まだ若い女性のペン画と銅版画の個展。いわゆる細密画ってやつで、一枚の細密ペン画に「どのくらいかかったんですか?」と聞いてみたら、B2サイズ位で2ヶ月だったり、3ヶ月かかったものも。先日この近所で見た銅版画といい、辛抱強くないとできないタイプの絵画です。
このギャラリーはあまり来た事がなかったのですが、明治期の洋館をリフォームしたギャラリーで、何ともレトロ。
レトロ空間でみる、不思議な細密画に心奪われました。
もう1日は上野のバレエホリディに行ったついでに、「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」 展を見たかったのですが、行列が嫌いな夫はイヤだと言い出し、空いてる芸大美術館でゆったり絵を見て、谷中の墓地を抜け帰宅しました。
しかしGWの上野、ともかく人が多くて、お昼を食べようと思ったけれどどこもめちゃ混み。屋台フェスタみたいのをやってたので、つまみと赤ワイン飲んだだけ。この日は13,000歩歩いたので、ダイエットにはなったかな?

新緑の季節なら、ご近所のお寺もなかなか。気分は京都?↓
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レトロな市のギャラリー↓
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上野↓
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tonton

映画と本の備忘録。…のつもりがブログを始めて1年目、偶然の事故から「肺がん」発覚。
カテゴリに「闘病記」も加わりました。