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市川ゆかりの作家展「遠山悦子 -さくらを追って-・長島充 -現実と幻想の狭間で-」

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04 /23 2019
先週末、花見がてらのご近所散歩に出かけましたが、目当ての藤にはまだ早く、先月シダレ桜を見た場所に八重櫻もあることを思い出し、住宅街を40分ほどかけて歩きました。途中ギャラリーに立ち寄ったら、ちょうど無料の絵画展をやってました。
さらに作家が銅版画をライブプリンティング(版画作品の摺りの実演)するところに立ち会えました。
最後刷りたての版画が現れた時は、10人ほどの観衆から「お〜!」と歓声が上がり、私も感動しました。
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長島充氏「 -現実と幻想の狭間で-」
写実的な野鳥版画と神話や伝説をテーマとした幻想的な絵画&版画、約40点。
タッチは同じですが、世界観はまるで異なる2種類の作品。西洋の御伽話の挿絵のような猫や鳥を擬人化した幻想的な世界がとても印象的。バードウォッチャーでもある氏の写実的な鳥の絵もモノトーンの陰影が美しく、会場に溢れる鳥(&猫)愛に朝ドラ「まんぷく」の要潤演じる忠彦さんを思い出しました。
もう一方は、遠山悦子氏の「桜シリーズ」など約15点。先月見た伏姫櫻、福島県三春の滝桜など実在の日本各地の名桜を大判のテンペラ画で描いた迫力ある作品。

長島氏は銅版画の刷り部分を実演してくれました。話も面白くて、お札の肖像画は銅版画ですが、大蔵省造幣局の銅版画職人は入省したのち、長い研鑽を積み、まさに円熟の極みの人が新札の制作に選ばれるそう。しかし新札なんて滅多に出ないわけで、じゃあ何してるの?と思うのですが、日本の職人の技術は非常に高いため、中南米等外国の切手の肖像画等も受注してるそうです。

話を聞くと、その前の”彫り”の部分が、銅版画とは段取りと計算、そして辛抱強さの必要な芸術だなぁ〜と思いました。
モノトーンのグラデーションは侵食液に何分つけるかで色の濃さが違ってくるそう。例えば60分と15分の時間の違いで侵食の度合いが変わるため、深い彫りにしたい部分を先に、次にもう少し浅い部分、と先に彫った部分が合計で何分になるかを常に計算して彫り進めるとのこと。
北斎の時代は北斎は絵だけ描いて、彫り師が版を彫り、刷り師が印刷したけれど、現代の版画家は全てを自分でやらなくてはならない。版画家で刷りが好きな人はいないそうで、ここが面倒になったら版画家はやめるそうです。

藤は来週にはきれいに咲いていると思います。隣の神社の新緑がきれいでした。
また市のギャラリーには広くてきれいな庭園があって、ここの藤はきれいに咲いていました。
先月伏姫桜を見にきた寺の庭は八重櫻が満開で、新緑も美しかったです。
ギャラリーも無料、あとは住宅街を徒歩で移動、お茶代以外お金を使わず充実した休日でした。この日は1万歩、朝夕のトンちゃんの散歩をした夫は1万6千歩も歩いていました。GWもこの調子で、なるべくお金を使わず過ごそうと思います。

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読書メモ「風と行く者」「嘘の木」「有村家のその日まで」他

book
04 /20 2019
「風と行く者」
「嘘の木」
「有村家のその日まで」
「たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ 」
「カササギ殺人事件」
「ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ」
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「風と行く者」上橋菜穂子:著
主人公バルサが若い頃、護衛として旅したサダン・タラム〈風の楽人〉たちと再会、その危機を救ったことで、再び旅の護衛を頼まれる物語。過去と現在を行き来しますが、内容的には過去の話が中心。
守り人シリーズのファンにとって、バルサとジグロの物語が読めるだけで幸せ。内容はロタ国の中の主流派の氏族と滅びゆく氏族との争いと、その中のロミ&ジュリ的な恋物語もあり、さら養父ジグロとサダン・タラムの女頭サリの恋もあり、アクションファンタジーのこのシリーズの中ではロマンチック度高め。
養父ジグロがともかくかっこいい!なぜか「男は黙ってサッポロビール」という古いCMコピーを思い出しました。

「嘘の木」フランシス・ハーディング :著
高名な博物学者で牧師のサンダース師による世紀の大発見。だがそれが捏造だという噂が流れ、一家は世間の目を逃れるようにヴェイン島へ移住する。だが噂は島にも追いかけてきた。そんななかサンダース師が謎の死を遂げ自殺ならば大罪だ。密かに博物学者を志す娘のフェイスは、父の死因に疑問を抱く。奇妙な父の手記。嘘を養分に育ち、真実を見せる実をつける不思議な木。フェイスは真相を暴くことができるのか?コスタ賞受賞(BOOKデータベースより)

19世紀イギリスが舞台なので、「いつか晴れた日に 」や『高慢と偏見』の時代か〜と想像して読み始めました。女性にはかなり窮屈そうな時代。14歳の主人公フェイスは博物学が大好きな賢い少女。しかし高名な博物学者の父からは女というだけで無視されています。彼女の美しい母に対する辛辣な見方も当時の少女としては異色と思われます。
「博物学」と聞くと私などは荒俣宏しか思いつかないのですが、彼の持っている貴重本のコレクションも18~19世紀のものが多いようです。19世紀は博物学の黄金期だったようで、この小さな島の名士の面々もコレクション増やすことに夢中です。女性の社会的地位、フェイスの両親に見る結婚の意味、使用人との関係、自殺だと教会の墓地に埋葬できないなど、時代背景の描写が興味ふかい。

「有村家のその日まで」尾崎英子:著
がんを患った有村仁子(69)。自由奔放で、スピリチュアルに傾倒する彼女は、標準治療をつまらないからとやめてしまう。仁子の家族は、彼女らしく最後のときを過ごせるように奮闘するが――誰しもがいつかは迎える”家族の死”を描く感動作。(「BOOK」データベースより)

この母は自由奔放というより簡単に胡散臭いマルチ商法や人を信じやすく、周りにもそれを強く勧める、そばにいたらかなり困った人。実際、それが元で実の妹とは長年絶縁。
散々大金をドブに捨てられた父も、3人の子供達もこの母に困りつつも憎めなくて、ついつい彼女の気の済むようにしてあげようとなり、家で最期を迎える幸せな母親のお話。この子供達がみんなよくできてて、我が家も3人兄弟で、かなり母のわがままはきいてあげてますけど、こんなに優しくはないわ(笑)
夫婦関係も不思議かつリアル。
自営業2代目の父は見合いで仁子と結婚するのですが、見合いを勧めた両親は彼女のあまりの経済観念の無さにとんでもない嫁をもらってしまったと後悔して亡くなり、夫も怪しい輩に大金を貸し与えた妻に激怒、一度は離婚します。でも老後一人は寂しくて、大和撫子の申し分ない女性と再婚を考えるものの、結局元妻に振り回された面白さが忘れられず、元の鞘に戻ったという過去があります。
最後亡くなるときに手を握り「愛してるよ、仁子」と叫んだ夫ですが、亡くなった後に寂寥感と共に、もうこれで貯金が底をつく心配をしなくて済むと深い安堵を覚えます。このような複雑な老夫婦の愛がなんだかおかしい。


「たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ 」橋本治:著
橋本治さんが今年1月に亡くなりましたね。
橋本治が好き勝手に喋り、そこにバブルも昭和も知らない若者と、バブル時に社会に出た50代が時々茶茶を入れる対話形式の本。一見非常に読みやすいけれど、内容は難しくてよく分かりませんでした。
イギリスのイギリスのEU離脱とトランプ大統領の誕生に、成長と拡大を求め続ける資本主義経済の終焉を指摘。第一次大戦はアメリカが英仏にお金を貸し、ドイツが賠償金の返済に困っているとドイツにも返済プランを提案、どちらにも莫大な借金をさせてアメリカが金融の力で支配したせいでナチスが生まれたという「アメリカ=闇金ウシジマ君」説。気がついたら日本だって第二次大戦後、ウシジマ君に支配されて、ずっとパシリやってる気もします。
そして戦後日本の昭和の時代は普通のサラリーマンやってても、専業主婦で夫を支えていても、どこかで自分の存在が復興のために寄与しているという意識が根底にあったという「復興経済」だったという話。それが’70年代に必要なものは全て揃い、’80年代に飽和状態になった。資本主義は必要なものが行き渡ってしまうと、あとは欲望を刺激して不必要なものを買わせているという話に、最近断捨離に目覚めた私は思わず頷きました。これだけ次々断捨離本が流行るということは、みんな本当に欲しいものはシンプルかつ心豊かな暮らしなんだと思います。私も車も捨てたし、つい先日ボロ自転車に乗って新しい自転車を買いに行ったら、自転車屋のお兄さんが「これ修理すればまだ乗れますよ」と2500円で修理してくれたので、結局まだ乗ることにしました。
しかしこうやって物を買わないようにすると景気は良くならないわけですが、そもそも前から不思議なのは、経済ってなんでず〜っと右肩上がりじゃなきゃいけないんでしょうか?数字が右肩上がりじゃないからと人件費削るせいで、悪循環になっているのではないでしょうか?
橋本治、小説を何冊か読んだだけですが、本当に興味の幅の広い人だったと思います。ご冥福をお祈りします。

「カササギ殺人事件」アンソニー・ホロヴィッツ:著
様々なミステリーランキング1位の本書、図書館に予約すること数ヶ月、ようやく回ってきた「カササギ殺人事件」。はい、評判通り大変面白く読みました。
アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ作品と紹介されている本書、アガサ・クリスティは何冊か読んでいますが、特別ファンというわけではありませんが。
1955年のイギリスの田舎という設定がとっても楽しいです。男爵の館、田園風景、住民がこよなく愛する森。
ダウントンアビーや最近見た映画「マイブックショップ」もそうですが、イギリスの田舎、ドラマの舞台としてはとても魅力的。階級差とか、めんどくさい人間関係とか、色々含めてドラマの宝庫です。そして余命わずかな名探偵アティカス・ピュントがついに犯人を名指しするところで、上巻終了。
上巻の終わりにもう犯人分かっちゃうの?と疑問を感じつつ、下巻へ。
そこで「へっ?」となりました。
いきなり時代は現代、このミステリー小説の女性編集者が主人公。彼女も読者と同じころまでは読んでいて、ラストの原稿がない!というところから話が始まる入れ子構造のミステリー。
だから最初のうちは「え〜!そんなぁ〜。で、結局犯人は誰?」という気分で下巻を読みだす感じ。
でもご安心ください。上下巻、それぞれの事件の犯人はちゃんと解明されます。て、いうか一つの話で2つ分のミステリー読めるお得感あり(?)

「ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ」 A.J. フィン 著
精神分析医のアナ・フォックスは、夫と娘と生活を別にして、ニューヨークの高級住宅街の屋敷に十カ月も一人こもって暮らしていた。広場恐怖症のせいで、そこから一歩たりとも出られないのだ。彼女のなぐさめは古い映画とアルコール、そして隣近所を覗き見ること―。ある時、アナは新しく越してきた隣家で女が刺される現場を目撃する。だが彼女の言葉を信じるものはなく…。
常に赤ワイン、それもメルローばっかり飲んでいる引きこもりの精神分析医。なかなか事件が起きず、一人称の呟きが続くためかよく状況が見えず、上下2巻の長編がどこに行く物語なのか見えないまま読み進んだ。上巻途中で事件が起こり、不穏な空気が立ち込めミステリーらしくなってきます。しかし本人が常に酔っている上に、幻覚の副作用がある薬を常用しており、読者にも果たして本当に事件があったのか否か混乱させられます。
そして下巻で広場恐怖症になった衝撃的な原因が語られ、さらにまさかの犯人!という、もはや脳内映画見た気分のミステリーです。きっと映画化されると思います。

『バイス』監督:アダム・マッケイ

cinema
04 /17 2019
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1960年代半ば、酒癖の悪い電気工ディック・チェイニー(クリスチャン・ベイル)は、恋人のリン(エイミー・アダムス)に激怒され、彼女を失望させないことを誓う。その後、下院議員のドナルド・ラムズフェルド(スティーヴ・カレル)のもとで働きながら政治のイロハを学んだチェイニーは、権力の中に自分の居場所を見いだす。そして頭角を現し大統領首席補佐官、国防長官になったチェイニーは、ジョージ・W・ブッシュ(サム・ロックウェル)政権で副大統領に就任する。(シネマトゥデイ)

「vice」は、「vice president(副大統領)」のように役職の前に付く場合は「副;代理」を意味するが、単独の名詞としては「悪徳;悪玉」といった意味なんだそうです。まさに史上最強の副大統領にして極悪の人、チェイニー副大統領。
成績不良と酒癖、素行の悪さでイエール大を退学になったチェイニーがどのように電気作業員から政府のインターンになったのか?その辺はよく分からなかったものの、インターンとして入った政府内でラムズフェルドと出会い、ブッシュJr政権時、ラムズフェルドと組んでイラク戦争を強行。法を捻じ曲げ、自分が裏番長ならぬ裏権力者となるチェイニー。大統領の裏で実質的な権力を握る面々をほとんどブラックコメディのように描いた作品。
政治のことはよく分からないのですが、出てくるメンバーのそっくりさん具合と、世界一の権力機構の裏側はモラルとか理念とか理想とかとはほど遠いものであることがよく分かりました。
クリスチャン・ベイルは別人のように痩せたり太ったりで有名ですが、パウエル、ライス、ブッシュ、ほんとそっくり。一番感心したのはラムズフェルド、薬物中毒に陥った息子(ティモシー・シャラメ)と父親の親子愛の映画「ビューティーボーイ」のパパ役スティーヴ・カレル。ちょうど映画の予告で出てくる彼とはまるで別人。

ある意味ではホラー並の恐ろしい話です。
チェイニーはとんでもない権力欲のサイコパスなのか?といえば、ともかく家族想いで娘のために一時は政治から離れるほど、妻と娘たちを愛する太めのおっさんなのです。政治の世界に入った初期の頃、窓のない狭い自分の部屋を持てた時の喜び様!妻に電話で報告するその姿は、妻に褒められたくて頑張る姿が可愛いほど。
しかし、だからこそ恐ろしいとも思えます。
アメリカ人には珍しく無口で無表情な男。黙って周囲を観察し、秘密主義で、マスコミを操り、ホワイトハウスのメールを自分たちの都合で取捨選択し、法を捻じ曲げ、権力を自由に操り、石油の利権で大儲けし、イラクに戦争を仕掛け、結果としてISを生み、多くの人々の生活を奪った元凶とも言えるその人が、家族を誰よりも愛するいい夫でいい父親。いっそ極悪非道で人間らしさの全くない人だったらまだ納得できそう。

ちょっと変わった作りの映画です。じっくりドラマが見たい人によっては場面展開の速さになじめないかもしれませんが、そこも含めて、独特な創りのコメディです。
例えば、途中政治の世界から遠のいて大企業のCEOになり犬のブリーダーとして成功し、メデタシメデタシとエンドクレジットが流れたり(ほんと、世界のためにもここで政治から去ってくれたらよかったのに)、途中繰り返し出てくる若い男がどうチェイニーと関係してくるのか?全く関連なさそうで疑問に思っていると、アッと驚く関わりだったり(いやほんとびっくりしました)、最後まで色々と仕掛けのある面白い作り方です。(最後にこの映画の試写を見た人々が感想を言うシーンがあって、自分の映画をも茶化すシーンで終わります)

政治ってなんなんだろう?
思わず考えさせられてしまいました。
誰がやっても同じだろうと、真面目に選挙にも行かなかった私ですが、正直ますます選挙に行っても誰に入れたらいいのか分からなくなりそうです。
正直でいい人に入れれば生活が良くなるとも思えないけれど、この映画に出てくる連中みたいに世界は自分たちの権力欲を満たすためのゲームみたいに考えてる人間に入れるのは怖すぎる。だからと言って、妙な理想と信念に取り憑かれた人も絶対いや!リアリストでバランス感覚が良くて平和主義な人に入れたいけれど、過去の政治家でいうと誰だろう?
面白いと言えばめちゃくちゃ面白いけれど、ほぼ事実と思えば恐ろしい映画でした。


『運び屋』監督:クリント・イーストウッド

cinema
04 /10 2019
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イーストウッドが監督・主演を兼ねるのは2008年『グラン・トリノ』以来だそう。『グラン・トリノ』でも組んだニック・シェンクが脚本。
元退役軍人で、戦後はユリの栽培で何度も受賞していた園芸家がネット時代に取り残され、80過ぎて事業に失敗。その後、全米をトラックで移動していた過去を買われ麻薬の運び屋としてスカウトされ凄腕の運び屋となる。「90歳の運び屋」という実話を元に作られたそうです。
内容からもっとハラハラドキドキのサスペンスを期待していたら、大きく異なりました。
はっきり言って、これは”クリント爺さんの爺さんぶりを楽しむ映画”です。
もはやどこからが演技でどこまでが実際の年齢によるものか区別のつきようもない爺さんぶり。

クリント・イーストウッドファンにとっては見逃せない人も見たくない人もいそうですが、曲がった背中と腰、運転席からの乗り降りのヨッコイショ感。性格もどこから演技かわからないとぼけ方。その佇まいを見ているだけで面白い。
メキシコ麻薬カルテルが相手ですから、人の命なんて虫けら同然な人々なんですが、そんな彼らさえ、イライラしつつもこの爺さんには振り回され、1200万ドルのコカインを積んだまま1週間行方不明で怒り心頭に達した時でさえ、この爺さんを撃つことにためらいを見せます。
その辺りが何ともおかしくて、でもとっても分かる気がします。友人が「だってどんなに悪人でも笠智衆のことは撃てないでしょ!」って言ったけど、なるほど〜と思いつつ、笠智衆よりはるかに不良で困ったクリント爺さんです。

そんな憎めない爺さんですが、いろんな記念日や娘の結婚式まですっぽかした過去により、家族からは徹底的に拒絶されてます(孫娘以外)。一番父を許さない娘をクリント・イーストウッドの実娘が演じています。父を見る剣のある目つきには現実の感情も含まれているのでしょうか?
そんなクリント爺さんは6人の女性との間に8人の子供がいるそうで、そんなクリント爺さんの現実の家族関係はどうなっているのか?これは年齢から言って遺作になりそうですが、最後、家族へのメッセージも兼ねているんでしょうか?
過去を水に流して、優しく受け止めてほしいというメッセージなんでしょうか?もしそうなら虫がよすぎるクリント爺さんなのでした。

映画の中で、ダイアン・ウィースト演じる妻が「あなたは外でみんなにちやほやされるのが好きで、家にはいなかった」と言われ、クリント爺さんが言い訳するセリフ。
「家の中では俺は役立たずだったから居場所がなかった。」
そうなんです!大抵の昭和の男は家の中では役立たずなんです。その辺は日米同じなのね。
だから定年後はしっかり家でも役に立ちましょう。間違ってもソファにどっかり座って「おーい、お茶」なんて男性は……さすがに最近はいないかな?
ダイアン・ウィーストといえば思い出すのは『シザーハンズ』のどこかピントのずれた優しいお母さん。ここでもやっぱり優しい。
それから麻薬捜査官ブラッドリー・クーパーの相棒は私のお気に入り相棒俳優マイケル・ペーニャです。そしてメキシコ麻薬カルテルのボスはアンディ・ガルシア。でっぷり太ってて誰だか分からなかったよ…

クリント・イーストウッドを見るのはこれが最後になってしまうのでしょうか?なんだか寂しいけれど、これ以上ヨボヨボなのも見たくないような、複雑な心境です。
ここで私が見た「爺さん主演映画」を思い出してみると、
『手紙は憶えている』のクリストファー・プラマー
『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』のブルース・ダーン
『家へ帰ろう』のミゲル・アンヘル・ソラ

辺りがすぐ思い出されますが、『家へ帰ろう』は80代設定ながら役者はまだ若いそうなので除外すると、この『運び屋』『手紙は憶えている』『ネブラスカ』の3人はどこからが演技なのか分からないほど、「老い」というものをリアルに見せてくれるリアル爺さん主演映画として心に残ります。




『ハゲタカお花見』

event
04 /07 2019
週末、新宿御苑にてハゲタカメンバーが集まり、お花見兼飲み会が開催されました。
1週間以上前に東京の桜は満開と聞いたような気がしましたが、その後寒かったためか、びっくりするほどキレイに咲いていて、ソメイヨシノだけでなく、山桜や八重桜(まだ蕾が多かったものの、木によってはちょうど見頃)、地面には花ニラや花大根、低木もヤマブキ等々、バラエティに富んでおり、さらに新緑の美しいこと!
ここが都心であることを忘れてしまうほど、植物の美しさを堪能しました。
当然ながら人出もすごく、いろんな言葉が飛び交っていました。
歩いて見るだけでなく、用意のいいKさんが持ってきてくれたシートを満開の大木の下に敷き、、宴会部長N子嬢差し入れの和菓子でのんびりお茶したり、遺影撮影会と称して、写真を撮ったり。夜はもちろん宴会部長の予約してくれたお店で飲み会。
話題はさすが歳が出て病気ネタやら、独身が多いせいか婚活ネタも出たりして、アラフィフアラカン女子会の夜は更けて行きました。
さらに、この会の主催者Kさんが平成30年間のドラマ記事をまとめるとかで、お気に入りドラマの話で盛り上がりました。年齢差10歳くらいあるはずなのに、なぜか世代のギャップがあまり感じられない。でも好きな俳優はお互い全く歩み寄れなかったりしますけど。(メンバーがこのブログの存在を知らないから言っちゃうけどさ)例えば、奇跡の50才、美人宴会部長の理想は向井理だそうで、ともかく「顔の小さい人が好き!」って「顔が小さいこと」に何の利点があるのか!?佐藤二朗やピエール瀧が好きなトントンには、全く理解できなかったりするんですね。
次回は2009年6月に公開された映画『ハゲタカ』の10周年にまた集まることを約束して、楽しくてちょっと飲み過ぎた夜でした。

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『ROM/ローマ』監督:アルフォンソ・キュアロン

cinema
04 /03 2019
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2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で、最高賞にあたる金獅子賞を受賞。第91回アカデミー賞でも作品賞を含む同年度最多タイの10部門でノミネートされ、外国語映画賞、監督賞、撮影賞を受賞。

70年代初頭のメキシコシティ。中産階級の家で住み込み家政婦として働く先住民の女性クレオの目線から、この家庭内部の崩壊と、政治運動で混乱するメキシコシティを描いたドラマ。医師アントニオとその妻ソフィア、4人の子ども、妻の母という豊かな家庭を舞台に、まるでドキュメンタリーのように日々の暮らしが描かれます。炊事、洗濯、子どもの世話、と大家族の家政婦の忙しさが伝わります。まだ幼い末の2人の子どもは眠る時もクレオに付いててもらうなど、クレオをとても慕っています。反面夫婦には隙間風が吹いてるようで、カナダに出張に行ったのを機に、夫は家に帰ってこなくなります。
同時にクレオは武術にハマっている青年フェルミンと恋に落ち妊娠するも、それを告げた途端、彼は消え、ツテをたどり会いに行くと、2度と来るなと脅す始末。
夫に去られたソフィアとその母はクレオを病院に連れて行き、ベビーベッドを買いに行ってくれますが、ちょうどそんな折、メキシコシティで大規模な暴動が起こり交通が混乱、破水したクレオは病院に着くのが遅れ、死産します。
ソフィアと4人の子ども、クレオはビーチに旅をし、海岸で溺れかけた子どもを泳げないクレオが助け、夫との関係を吹っ切ったソフィアと、子どもが生まれなければ良いと願っていたので死産したと告白するクレオ、子供達は海岸で抱き合い、
クレオは自責の念から立ち直りを見せます。

これはNetflixで配給するという新しい形の映画として、注目を集めましたが、はっきり言って、断然「映画館で見るべき映画」です。
分かりやすい起承転結や、手に汗握るドラマではなく、ドキュメンタリータッチで、クレオの日々の暮らしが淡々と描写されます。この手の映画は集中できる環境でないと難しい(少なくとも私の場合)。
居間のソファで見てて、宅急便やら、我が家ならワンコやら、ましてや家族が話しかけてきたりしたら全然無理。
そしてモノクロの美しさを味わうにはやはり映画館の暗闇が必要です。
難解さは全くないものの、いわゆる娯楽映画を求める人向けではないと思います。
私は観ている間中、大学生の頃読んだ「5つの家族」というメキシコの貧しい家族にフィールドワークした文化人類学の本を思い出していました(こちらは194~50年代の話)。
’70年代初頭のメキシコ、都市部と地方の差が激しくて(日本もこの時代まで地方と都市部の差は大きかったんじゃないかと思います)貧富の差も激しい。でも中産階級の暮らしはかなり豊かな印象です。

それにしても、この家の主人アントニオといい、クレオの恋人フェルミンといい、メキシコの男って困った奴ばっかりだな〜!というのが一番正直な感想かな?

ご近所花見

event
04 /02 2019
ついに新元号が発表されましたね。「令和」
昭和は遠くなりにけり。うちの父なんて大正生まれだもんね。ヨボヨボなはずだわ。
気がつけば、花見は毎年ご近所で定点観測花見になってます。
2月ごろ梅から始まり、白モクレン、コブシ、花桃、シダレ桜、そしてソメイヨシノ。(写真が下手すぎて使えるのがほとんどない!)

まずは樹齢400年、伏姫桜。
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毎年この桜を見るたびに、昔NHKでやっていた人形劇『新八犬伝』に出てくる「たまずさが怨霊」を思い出します。
ちょっと霊気を感じるのです。もっとずっと大きかったのですが、だいぶ前にボッキリ折れてしまい、それでもまだ迫力ある巨木です。ここのソメイヨシノはまだツボミが多いです。八重も多くて、長く楽しめます。

同じしだれ桜でも、こちらは可愛い感じです。
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こちらは3月中旬ごろ撮ったもの。
足元の地面にも注目。オオイヌノフグリはいつもここのがキレイ。トンちゃんの鼻も入ってます(笑)
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さらに時間が遡って、2月下旬。ここの薄桃色の梅を毎年観測。満開の時の写真はボケてる、残念。
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東京では先週満開だったソメイヨシノですが、ご近所ではまだ3〜5部咲きの木が多く、この週末まで楽しめそうです。
週末は飲み会のついでに都心に行く予定ですが、もう散ってるかな?最近八重桜が好きなので、咲いてるといいなぁ。

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映画と本の備忘録。…のつもりがブログを始めて1年目、偶然の事故から「肺がん」発覚。
カテゴリに「闘病記」も加わりました。