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『カメラを止めるな!』 監督:上田慎一郎

cinema
08 /14 2018
この夏、暑すぎて自分でも忘れていましたが、ついに還暦になりました。
そのことに気がついて、「名実ともに婆さんになったか!」とガックリしつつも、3年前の肺がん宣告を思えば、こんな元気な状態で還暦を迎えられたのが素直にうれしい💕じわじわめでたい気分になりました。
誰からも、私を産んだ母からも、ついでに自分自身からも忘れられた誕生日ですが、気がついて夫に「私、◯日、誕生日だったんだよ!」と言ったら、近所の居酒屋に連れて行ってくれ、好きなもん頼めって。ま、そんなもんです。各地の日本酒を取り揃えているお店だったので、普段飲まない日本酒を色々飲み比べて見ました。石川県の「手取川」が美味しかった。
さらに近所のドラッグストアの店員さんに知人がいるのですが、ポイントカードをみて誕生月に気がつき、バッチリ「シニア」と書いてある5%オフのシールを貼ってくれました。あ、ありがとう(涙)
久しぶりにママ友たちとも飲みに行きましたが、やっと50代に突入した組とアラカン組では微妙に話題にズレが。アラカン組は親の介護問題に直面している人間同士、盛り上がるというか、盛り下がるというか。
そして還暦になって、一番嬉しいのは映画がいつでもシニア料金1,100円になることです。
なかなか親の介護問題で映画館に行けませんが、この値段なら、ふらっと気が向いたときに映画が見られると思うだけでもウフフと思います。

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と前置きが長くなりましたが、半額デーでもないのに、映画館に行ったのは、このシニア料金だったから。
で、今、話題の映画「カメラを止めるな!」を見てきました。
シニア料金初の映画鑑賞がゾンビ映画っていうのも、なんかあれですが、面白かったです。
なんでも監督や役者の養成学校のワークショップ作品として作られたそうなので、出ている俳優さんも監督はじめスタッフも無名の人ばかりで、見るからに低予算映画です。
この低予算、無名の新人たち、それが口コミで話題になり大ヒットという「前提」がこの映画の面白さの土台にあることは否めませんが、それでも素直に面白くて、予定調和の感動作に満足できない人にオススメです。
ただこの手の映画はネタバレしない方がいいので何を書いたらいいのか?迷うところ。

一言で言うと、これは「みんなで力を合わせて困難を突破し解決するお話」です。そういう意味ではすごく普遍的なコンセプトを持つ作品だと思います。
その構成が面白くて、奇妙な間合いの裏に「あ〜なるほど」とか、これ以上言うとネタバレになるのでやめておきますが、いろんな工夫に感心したり、笑わせられたり。

このゾンビ映画はワンカットで撮っていることも大きな話題なのですが、映画のワンカットとはなんぞや?と言うと、長回しというものなのですが、これは1分すぎるともう長回しになるほど、映画というのはブツ切れで撮るのが普通らしいです。
だからかな、新人でもびっくりするほど下手な俳優って見たことないのは、短く撮っていくので、うまく編集で繋げばアラが見えないというのもあるのかもしれませんね。
評論家とかに、この「ワンカット長回し」はよく取り上げられ話題になります。3分くらいでも十分長回しになり、長回しの名作シーンなど、いろんな方が取り上げていますが、見たことある映画にも関わらず、私は特に意識して見ていませんでした。
ワンカットの持つ効果はここでは置いといて、この「カメラを止めるな!」とはまさにその長回しを指しているのですが、撮る側にとってワンカット長回しがどれほど大変なことかはこの映画で良く分かりました。(あ!ネタバレになっちゃう?)

どうもネタバレを恐れて、何書けばいいのか分かりませんが、だからと言って、ネタバレされたとしても「シックスセンス」みたいに、それを言っちゃあお終いよ、な映画ではないと思います。
でもできたら事前情報を入れないで見ることをお勧めします。
最後に、映画が終わって笑顔で出てくる人の多い映画とだけ言っておきます。

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『ウインド・リバー』   監督:テイラー・シェリダン

cinema
08 /03 2018
WIND RIVER

「ボーダーライン」の脚本家テイラー・シェリダンが脚本/監督の本作。第70回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞。
普通のサスペンスかと思いきや、少々違いました。
この酷暑の中、極寒の風景が続きます。身も心も冷えそうな内容でした。
主人公は野生生物局の職員でベテランハンターのコリー役にジェレミー・レナー。別居中のネイティブアメリカンの妻と息子がいます。
牛を襲ったピューマの退治を依頼されたコリーはそこでネイティブアメリカンの少女の遺体を見つけます。
地元のことも自然に対する備えも分かっていない若い女性FBI捜査官が派遣され、彼女に協力する形でコリーは捜査に加わります。
この女性FBI捜査官はエリザベス・オルセン。「フルハウス」のミシェル役だった双子のオルセン姉妹の妹だそう。

レイプされていることから犯人探しが始まりますが、出て来る男たちはヤク中とアル中ばかりで、すぐに銃をぶっ放します。
河は凍りつき、零下30度の風が吹き渡る雪と氷に閉ざされた世界。トレーラーみたいな家に住んでる人が多く、貧しい土地のようです。
ここはネイティブアメリカンの居留地で、日本人にはなじみがない彼らのおかれた状況がよく分かる内容です。
真実が判明したとき、死んだ少女の強さにコリーは改めて胸を打たれます。これが街だったら10キロも走ったら当然助けを得られそうなのに、零下30度の雪原を素足で走ると、肺から血が吹き出すことを初めて知りました。自分も娘を亡くしているコリーが少女の父に言う言葉がとても切ないです。
この映画からは「万引き家族」を見たときと同じような監督の静かな怒りがしんしんと感じられました。

20年ほど前、子供の小学校の授業参観で英語の歌を歌っていたのですが、「ワンリトル、ツーリトル…インディアン」という歌です。しかしその時の歌はインディアンではなくエレファントに変えてあり、隣にいたママ友から「これ、インディアンじゃなかったっけ?」と聞かれましたが、インディアンという言葉はいつから差別語なのかしら。現在でも自称インディアンと言ってる人もいるようで、別に差別用語というわけではないのでしょうか?日本人には理解しずらい問題ですが、黒人のスポーツ選手や芸能人は大勢いますが、ネイティブアメリカンで有名人ってすぐに思いつきません。あ、ジョニー・デップはネイティブの血が入っていると自称してますね。
現在でも政府管理下の居留地に大半のネイティブがいるそうで、この映画で見る境遇には悲惨なものがあります。ラストに「失踪したネイティブ・アメリカンの女性のデータはなくその数は不明」とテロップが出ます。これはアメリカ人にも忘れられた存在という意味なのかしら?

ジェレミー・レナーは今まで見た彼の出演作の中で一番よかった。渋いです。
一面の銀世界に残された足跡から様々なデータを読み解くハンターぶりに、吉村昭の「羆嵐」に出て来る猟師を思い出しました。











tonton

映画と本の備忘録。…のつもりがブログを始めて1年目、偶然の事故から「肺がん」発覚。
カテゴリに「闘病記」も加わりました。