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「幸せなひとりぼっち」 監督:ハンネス・ホルム (DVD)

cinema
02 /26 2018
ピョンチャンオリンピック、終わりましたね〜。
フィギュアだけが楽しみだったのですが、今回思いがけずスピードスケートの面白さに目覚めました。
でもモーグルとか、スノボとか、見ているだけで恐ろしいです。同じ人間とは思えない運動神経です。
逆に冬季の目玉アルペン競技は日本人が活躍していないせいか、忙しかったこともあり見そびれてしまった!
今月は姉がずっといなくて一人で介護生活でした。昼夜ご飯を作りに行ったり、洗濯機回して、買い物行って、帰りに寄って干して、みたいな出たり入ったりの細切れ生活でしたが、親はボケているものの特に心配してませんが、実は姉が世話している老犬の方が心配でした。
ほぼ1日寝たきり犬なんで、毎回生きてるか否かドキドキもの。頼むから姉の留守中に死ぬなよ〜と。
去年の夏はもう絶対越せないねと言ってて、獣医さんからも「もう年ですから」と積極的な治療はありませんでしたが、秋風が吹く頃には食欲復活!お散歩にも少し行けるようになりました。でも最近再び、立ち上がるのもやっとという感じ。
人間(両親)と犬とで、しみじみ「老いるということ」を目の当たりにさせられる今日この頃です。

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「幸せなひとりぼっち」 監督:ハンネス・ホルム
愛妻を亡くし人生に絶望した老人が、隣人一家との交流を通して徐々に心を開いていく人間ドラマ。主人公の心の変化を追いながら、「人は一人で生きられるのか」「人生とは何か」を問い掛ける。(シネマトゥディ)

スェーデン映画です。
半年前に愛妻を亡くした頑固で偏屈な「老人」が主人公の設定ですが、出だしで年齢が59才と分かってちょっとショック。まあ59才は確かに「若くは」ないです。でも今の日本ではまだギリギリ老人とはみなされないと思うので。
愛妻を亡くし生きる希望を失い自殺を図ろうとするものの、ちょうど隣に引っ越してきた一家(妻がイラン人)に邪魔されたり、ロープが切れたりの序盤はコミカル調。毎日妻の墓に行き、語りかける主人公。
孤独な老人の悲哀が伝わります、けれどそこは長年暮らした土地、近所とのつながりもまだ残っていて、新しい隣人のやや強引とも思える関わり方に主人公は救われていきます。この隣人を難民にしたところが、先日見た「はじめてのおもてなし」とも重なりました。この隣に引っ越してきたイラン人妻の関わり方は今の日本の都市部ではなかなか見られないかもしれません。

でもちょっと前(と言っても30年ほど前)だと、実家(首都圏のベッドタウン)でも、寝込んだ私の祖母の元へ、隣のおばあさんが毎日縁側から上がりこんで祖母のベッド脇で話していたものでした。さすがに当時としても、祖母の部屋を開けたら隣のおばあちゃんがいて、母も最初はぎょっとしたようですがすぐに慣れ、さらによく大量の天ぷらを揚げてはくれる人で、これがまたベシャッとした美味しくない天ぷらだそうで母はブーイングを言いつつも、毎日寝たきりの祖母に話しかけてくれるこのおばあさんには感謝していました。
美味しくない天ぷらを強引にくれるのも、家族に断りなく縁側から毎日祖母の部屋に上がりこむのも、そこには「私があげたいからあげる」「私が見舞いに行きたいから行く」というある種の強引さがありました。結果として祖母に寂しい思いをさせなかったのだから、とてもありがたいことです。(祖母が嫌がってたら別ですが、それはなかった)

でも今、すっかりボケた母のところに話に来てくれる人は残念ながら叔母くらいです。それでも月に一度車で迎えに来て、ファミレスでの老人会の集まりに連れて行ってくれる年下の友人もいて、わずかに地域のつながりが残っています。
おせっかいと親切の差は人によっても違いますし、現在の日本は人間関係が良くも悪くも洗練されていると思います。
若い頃、ヨーロッパ旅行のガイドブックを見たら、その序文に誰だか文学者が短いエッセイを書いていて、そこに「日本人には理解できないほどヨーロッパ人は孤独だ」と書いてあったのが印象的でした。
その時は意味が分かりませんでしたが、今なら日本も同じような先進国になったと思います。欧米型の先進国になるということは、「個」になるということで、当然孤独な人も増えるでしょう。

少し前の休日、夕飯がお刺身なのにお醤油を切らしていて、私が当然のように「お向かいさんにもらってくる」と言ったら、夫が驚いて「俺がコンビニで買ってくる」と買いに行ってくれました。普段コンビニを使う習慣のない私は歩いて5分のところにコンビニがあることを失念してて、当然のようにご近所にもらおうと思ったのですが、夫は夜いきなり「醤油ください」と言うのは非常識だというのです。え〜そうだっけ?夫は都会っ子、私も一応都会?育ちだけど、それ普通じゃない?と言ったら、全然普通じゃないというのです。そうかな〜?男の方が孤独死しやすいのはこの辺りの常識の差にあるのかもしれません。でももしかしたら私の方が非常識なのか?今度お向かいさんに聞いてみよう。

映画の話から逸れましたが、この映画、やたら車にこだわります。
父との思い出にも重要なポイントとして車の話があり、妻との初デートでも話題に困った主人公は車の構造について話します。
近所に住む親友とは最初からうまがあったのですが、主人公は「サーブ」派、友人は「ボルボ」派なところでバトルが続き、お互い競い合うように新車を乗り換えつつ友情は続くのですが、友人がBMW(ドイツ車)にしたところで友情が破綻します(笑)
男の人にとっての車というものは私の理解を超えたものがありますが、この辺は車好きには楽しめそうです。

主人公は若い日と役者が変わるのに対して、妻は役者の交代がなく、ほとんど若き日の回想シーンとして出てくるため、半年前に亡くなった設定を忘れそうになりましたが、とても魅力的な女性です。
特に若い二人に悲劇が襲った後の妻の強さが素晴らしい。
主人公は隣人たちとの関係だけでなく、教師だった妻の残した遺産(教え子の言葉)によっても、再生していきます。
そしてえっ?というラスト。でもこれも主人公の望みが叶ったわけで、ある種のハッピーエンドだと思います。
スェーデンでも大ヒットしたらしいこの映画、先日のドイツ映画「はじめてもおもてなし」といい、甘いといえば甘いかもしれません。
ヨーロッパ映画は私のトラウマ監督、ラース・フォン・トリアー(デンマーク)や、スェーデンなら「ミレニアム」シリーズ、またイギリスのケン・ローチのようにシビアな印象もあります。ヨーロッパ映画が甘くなったのは、現実がそうでないことの裏返しかもしれません。
でも難民の存在を肯定した映画がヒットするのは、なんとか難民の人たちと仲良くやっていきたいという多くの人の心を反映しているのだと思います。


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「はじめてのおもてなし」 監督:ジーモン・ファーフーフェン  他:DVD「ボーダーライン」

cinema
02 /15 2018
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「はじめてのおもてなし」 監督:ジーモン・ファーフーフェン
引退を勧められているのに、仕事と若さにしがみつく外科医の夫。暇を持て余しつつ心の空白を酒で紛らす妻。妻に逃げられ息子を引き取ったやり手弁護士の息子、自分探しし続けている30代の娘。裕福だが崩壊寸前のハートマン家。
妻がボランティアとして、ナイジェリア難民青年ディアロを住まわせる。そこから起きる様々なドタバタを描き、再生していく家族の姿が描かれるハートフルコメディ。
ディアロはひたすら真面目な好青年で、ドタバタを起こすのはこの一家の面々や友人、難民を拒否する同じドイツ人たち。
「帰ってきたヒトラー」でも難民問題が描かれていたが、現在のドイツにとってこの問題は避けて通れないことが分かる。
会話の中でも難民を「かって熱烈に歓迎した」と話していることから、知識階級は難民の受け入れに全面賛成だったことご分かる。しかしこう増えてテロの心配が起きれば不安になるのも自然なことだと思う。

昔々、クロード・チアリというフランス人ギタリストが日本に帰化しようとしたら、あまりに大変で根を上げた話をTVでしていたが、その時は、日本人と結婚している有名音楽家が日本人になりたがっているのに、ずいぶん偏狭な国だなぁと思ったものだ。しかしそこらじゅうで民族紛争が起き、難民が増えた現在、日本がまだ他人事で居られるのは、この伝統的な偏狭さのおかげかもしれません。
自己主張が苦手な国民性なのに、異なる文化の他者と共存できるのか?と疑問もあります。
「違う」ことを認め合う、って民主主義の基本だと思うけれど、案外これが難しいと思うし。
ところでところで、30代娘と恋人になる難民出身の研修医、ドクタータレクの笑顔がステキでしたョ。ちょっと笑顔がジョージ・クルーニー的?


(WOWOW録画より)
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「ボーダーライン」 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
「ブレードランナー2049」「メッセージ」で最近大注目のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品(2015)です。
主演はあのエミリー・ブラントとベニチオ・デル・トロ。
非常にハードでダークな作品です。思ってた以上にしんどい。ラストまで救いのない非情な世界。
メキシコカルテル(麻薬組織)といえば、リドリー・スコット監督の「悪の法則」。これはしんどい映画でした。免疫力だだ下がり間違いなし。それはこの映画も同じです。出だしからして、ゲゲッとなります。カルテルというのは、ともかく恐怖で人々を支配しているらしく、街中に見せしめのために首のない死体が何体も吊るされてたり…おっとろしい世界で、映画館で見なくてよかった。
以前NHKの「世界ふれあい街歩き」でメキシコの小学校が道路で体操してるのを見て、おおらかで安全な国かと思ってしまったけど、きっとどちらも本当にあるのがメキシコなんでしょう。

エミリー・ブラントがFBIのスワット隊員で、メキシコ麻薬組織(カルテル)の全滅を目的とした部隊に入り、謎のコロンビア人=ベニチオ・デル・トロと極秘任務に就くんですが、これがFBIからやってきた彼女と相棒にはさっぱり何をやってるのか、分からない。
この前半、見ている観客もエミリーと同じ立場です。何やらドキュメンタリータッチですが、この組織が何をやってるのか分からない。カルテル顔負けで、民間人が沢山いる渋滞の高速道路でいきなり2台の車の乗員全員ぶち殺すわ、次々違法捜査をガンガンやってしまう。
エミリー・ブラントはブラのまま黒人の相棒レジーの前に出てきて、注意されると、「ブラ姿なんてそう言えば何年も人に見せてないわね」と気付くような「女捨ててます」ぶりが板についてて、この人は「ガール・オン・ザ・トレイン」ではアル中女らしいし、美人なのに面白い女優さんです。
それからベニチオ・デル・トロ。ババチイのか?もしかしてかっこいいのか?濃い顔なのに、目がちっこくて細いので、東洋人のようにも見える不思議なおっさんです。少なくともスッキリは見えないこと請け合いです。いつ見ても、近くに寄ったら雄臭そうだな〜と思う人です。
この人、かなりひどいです。でもこのドラマの要です。見る人によって、彼のしたことの評価は分かれるところだと思います。
Benicio_Del_Toro.jpg濃いけどちっこ目のベネチオ・デル・トロ

ハゲタカたちの夜

event
02 /11 2018
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NHKドラマ及び映画「ハゲタカ」ファンの集まりがありました。
正確には主人公鷲津政彦の誕生会。彼の誕生日は2月19日です。49歳になるそうです。
このハゲタカファンの面々と知り合い、もう8年。
宴会部長美人独身OL、N子さんが毎度ながら安くて美味しいお店を予約してくれました。
熱烈カープファンのN子さんの趣味を反映して、前回に引き続き、広島関連のお店です。
銀座にある広島県のアンテナショップ内にあるイタリアン。
魚介が大好きな私は殻付き牡蠣やタコのカルパッチョにテンション上がりましたが、なんとメンバーのうち2人も魚介がダメな人がいて、こんな美味しいものが食べられないなんて!かわいそう。
例によって食べるのに夢中で、写真撮り忘れてることにデザートまで気づきませんでした(;^_^
デザートは紅葉饅頭を使ったアイスクリーム。
確かにあんこっぽい感じとシナモンぽい香りのアイスでしたが、言われないと紅葉饅頭には気づきませんけど、とことん広島です。
広島の人って他に2人知ってるけど、個人的な感想としては「明るい」よね、県民性。

相変わらず、私以外のメンバーはいつも誰かにときめいていて若々しい。
面白いのはMさんは今更ながら「スマップ」に目覚めたそうで、ジャニーズのファンクラブに入ったそうな。
みんなで、「失われたもの」に心ひかれるタイプなのね、とからかいました。
それってちょっと「不憫萌え」にも通じるわね(笑)

食事も進み、お酒も進んだところで、あらためて、今一度「鷲津政彦」のどこにひかれたのか?
鷲津の誕生日会でもあるし、(私以外)一人ずつ話すことになりました。
私から見ると、大森南朋演じる鷲津という男はいつも苦虫噛み潰したような無表情で不機嫌な男。こんな人のどこにみんながそれほど心奪われたのか?長年の謎です。
肝心の主催者Kはもはやよく分からんとのことで、みんなをズッコケさせましたが、他の人の話を聞いて少しだけ分かったことがあります。
鷲津は基本無表情ですが、それでも心の乱れがちょっとした表情、眉を上げたり、目が泳いだりするところに出るんだそうです。そこに「萌える」ポイントがあるという話に、「な〜るへそ!」と感心いたしました。
なるほどね、そいつは私には難しいはずです。
私もドラマや小説が好きですから、オーバーアクションよりは抑えた表現に心ひかれるのは同じです。
橋田寿賀子のドラマみたいに全部セリフで説明されたら、全然面白くありません。
しかし微妙な表情を読み解くのは、それなりに難しい脳の働きだと思います。
でもね、ドラマの中でそういう男性の表情を読み解けて、そこに「萌え」られれば、ときめけるってことよね!?ね!?
「よしっ!分かった」という感じで、長年の謎を発見した私は忌野清志郎以来、35年ぶりにときめくぞ!そして免疫力をアップするぞ!と密かに決意したハゲタカの夜でした。

それはさておき、ワインを赤白2杯ずつ、カクテルも飲みましたが、全く酔いません。深夜でしたが、東京駅まで歩き、帰宅は日付が変わってしまった。全然このくらいでは飲んだ気はしないけれど、アルコールは女性の方が、よりガンの原因としてリスクが高いらしいです。連休だけど、残り2日は控えようと思います。
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『滝田ゆう』展 (弥生美術館)

art
02 /09 2018
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赤坂でお昼に懐石料理を頂きました。
見た目もお味もグ〜で、子どもの会社の福利厚生割引がきいてお安くいただけました♪
その後、日枝神社でお参りし、子どもとは赤坂でバイバイし、こちらは地下鉄で根津に移動。
東大に囲まれた閑静な住宅地に建つ弥生美術館で「滝田ゆう」展を見ました。
滝田ゆう、若い人は知らないかな?
戦前の向島区寺島町(現在の墨田区向島)を舞台に、自分の少年期の思い出を元にした半自伝的漫画で有名だった人です。
'90年に58才で亡くなっていますが、太っててイガグリ頭、着流しゲタ履き姿でよくCMなどにも出ており、タレント性のある人でした。
私はこの人の漫画が大好きで、代表作「寺島町奇談」他、色々持っていたのですが、どこにやってしまったのか?実家の納戸に今もあるのか?今度探してみようと思います。戦前の寺島町を舞台に庶民の暮らしを描いたエッセイ風の漫画でした。寺島町は戦前の私娼街だったそうで、吉原が公営売春街なら、寺島町は数人の娼婦を抱えた小さな飲み屋が軒を連ねる街だったそうです。そんなことを聞くと、とても危ない街のように思えますが、滝田ゆうの漫画では、そこには心優しいお姉さんたちが沢山いる、不思議な温かい街として描かれています。なんとも味のあるグチャグチャした線で描かれ、もちろん戦前を知らず、ましてや娼婦街なんて縁もゆかりもない人間が読んでも、どこか懐かしい気持ちになる不思議な漫画でした。
今回、初めて知りましたが、滝田ゆうは出産翌日に産みの母を亡くし、叔父夫婦に引き取られて育ったそうです。ですから漫画の中で強烈な個性を放つお母さんは継母だったのですね。
滝田ゆうの若い頃の写真があって、まだ太る前で、なんとも愛嬌のある可愛い顔をしています。
こんな子どもだったら、寺島町のお姉さんたちに可愛がられたのも分かる気がしました。
当時の担当編集者たちの話も面白かったです。
本当に朝から常に飲んでいた人だったようです。締め切りを守らないため、編集者たちが飲み屋に張り付いて結局一緒に飲み明かすこともしばしばだったようで、この辺りなんとも「昭和」です。
昭和って人間関係が良くも悪くも公私混同だった気がします。
そういうディープな人間関係に懐かしさを感じるけれど、今それをやられたらどうだろう?結構しんどいかも?
58才で亡くなった原因はやはり肝臓病でした。
弥生美術館、友人宅が近くにあるため、ここへ来るといつもついでに顔を出します。この日もそのつもりでしたが、トンちゃんの散歩を夜するのは寒くて辛いので、まっすぐ帰りました。

IMG_2934.jpgIMG_2935.jpgIMG_2937.jpgIMG_2936.jpg他、揚げ物と炊き込み御飯とデザート。一番美味しかった「とろろ昆布巻鮎魚女の揚げもの」を写真撮るの忘れました!







tonton

映画と本の備忘録。…のつもりがブログを始めて1年目、偶然の事故から「肺がん」発覚。
カテゴリに「闘病記」も加わりました。