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『関東大震災』 吉村昭 著

book
02 /26 2016
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久しぶりの吉村昭です。
吉村昭は以前パート先の本好き上司から絶賛お勧めされたものの、おじさんの愛読書という印象で敬遠していました。
その後いきなり友人から「漂流」を押し付けられ、仕方なく読んだのが初吉村でした。
想像していたのと違い、淡々としたドキュメンタリータッチにすっかり魅了され、以降少しずつ読んでいます。
作品は徹底した取材が有名だそうで、ノンフィクション小説と呼ばれています。
吉村昭の特徴は感情を排した書き方で、これがかえって事実の凄まじさを強く伝えていると思います。

Ton家の故郷は神戸です。阪神大震災の早朝(直後は電話が通じて)、義父からの電話で起こされました。
「震度7、震度7」と叫んでいるのですが、当時震度7をイメージできなかった我々は「ケガは?」と聞いたら「大丈夫や」というので、よかった〜と言って、再び寝てしまいました。
そしていつもの起床時間に起きてTVをつけて、愕然としましたが、もはや電話は通じません。
幸い家族にケガはありませんでした。
2011年の東日本大震災の時は電車の中でした。
しばらく閉じ込められた後、線路に降ろされ途中まで行くバスを見つけて乗り、残りを徒歩で帰宅しました。
2011年はスマホ等の映像で格段に映像情報が増え、被災地の様子が24時間日本中に伝えられましたが、1923年(大正12年)当時はまだラジオも実用化以前、電話も一般家庭に普及していない時代です。


大震災の10年前に起きた連続地震から小説は始まり震災当日へ繋がります。
この10年前の連続地震当時、大震災が近いと唱えた学者に対し、それを否定した当時の地震研究トップ学者との確執が描かれます。吉村昭は否定した学者を悪者には仕立てず、それぞれの立場、性格の違いにも触れ、世間の混乱を鎮めるためにも否定した学者なりの理由があったことが書かれています。このようにいたずらに一方を悪者に仕立てず、感情的にならない所が吉村昭のいいところです。

関東大震災といえば、東京の下町の火災による被害が有名で、死者の大半は火事によって亡くなったと伝えられています。
しかしこの本を読むと、震源に近い湘南、横浜方面の倒壊被害も凄まじく、皇室の人々や横浜の外国人もずいぶん大勢亡くなっていたことを知りました。
そしてやはり東京下町の火災の恐ろしさといったら、、、この恐ろしさは想像以上です。
本所被服廠跡の阿鼻叫喚の地獄図、吉原の娼婦たちが派手な寝間着姿で吉原公園の池に折り重なる凄惨さといったら…
心臓の弱い人は読まない方がいいかも、と思う位恐ろしい描写が感情を交えず続きます。
ここには人々の荷物が道をふさぎ、そこに火がつきあの被害に繋がったことなど、現代にもつながる様々な教訓が含まれます。

前半が天災の恐ろしさなら、後半は人間の心の恐ろしさがこれでもかと書かれます。
集団パニックという言葉は聞きますが、パニックと言うより、なんだろう?この異常さは…?
顧みて、東日本大震災の時の日本人の態度が世界から賞賛されたことを考えると、日本人は確実に進化していると思いました。
私の見た2011年地震の際の風景も、ぎゅう詰めでノロノロ運転のバス内でも、途中から乗ってきたお年寄りに、みんな当然のように席を譲り、混乱は全く見られませんでした。

その点、関東大震災当時、朝鮮人が井戸に毒を入れたとか、集団で襲ってくるとか、本気で当時の人々がパニックになったことを考えると、集団心理の狂気と、一旦暴走を始めた群集心理は簡単には止められない恐ろしさが分かります。
当時の朝鮮の人たちは日本に併合されていたわけですから、同じ言葉を話している隣人だったはずです。
それでもやはり人々の心には根強い差別感情があったことが分かります。
しかし今イスラム教の人々への偏見が世界的に起きていることを考えると、自分と違うものへの恐怖心や差別心、これは思いのほか根深い、もしかしたら人間の本能に基づく病いのようなものなのでしょうか?
発端はデマが起きた際、一時は警察もそれを信じて自警団の組織化を勧めたこと、また新聞社が一時デマを信じて報道してしまったことが原因だったようです。
そこから各地の自警団が暴走、もはや警察も手が付けられなくなってしまったのです。

驚いたのが、その噂の電波するスピードです。
ネットもない時代なのに、その口コミ力(りょく)の凄まじさには驚きました。
東京、横浜から始まった朝鮮人に対する暴動は、あっという間に埼玉、群馬まで伝わり、事前に連絡を受けた警察は、当地の朝鮮人たちを刑務所に「保護」するのですが、暴徒と化した集団は刑務所を襲い、建物を破壊、刑務所に匿われていた彼らを殺害します。
しばし頭が混乱しました。
だって朝鮮人たちが自分たちを殺しにくる、ってパニックになってるわけでしょ?
そこで警察が朝鮮人たちを保護して刑務所に隔離する。
それをわざわざ刑務所を破壊しに行くのはなぜ???
そもそも「自警団」ってそれ自体怪しい響きがある気がします。
なんか自分達以外は敵!という攻撃性を内包している感じ。

本当に日本人、当時に比べれば、進化していると思う。
はっきり言って、この時の日本人は悲しいくらい醜い暴走集団だと思います。
余談ですが、「昔はよかった」なんて物事を単純化するのはやめようと思いました。
その「昔」って、脳内で都合よくパッチワークされた幻想のような気がするから。

小説はこの他にも、混乱に乗じて甘粕大尉(「ラストエンペラー」で坂本龍一が演じている人)が社会主義者を暗殺する場面も淡々としている分却って怖い。
そして震災後のバラック住宅の描写での糞尿処理問題とか、膨大な死体の処理も淡々と描かれます。
錦糸町駅前の錦糸公園を見る目がこれからは変わりそうです…
吉村昭、よくぞここまで調べ上げたという驚きと、これはフィクションではない、と気づかされる度に背筋がぞっとする読書体験でした。
2011年の震災5周年前に関東大震災のことをちょっと知っておこう、という程度の動機で読み始めましたが、その凄まじさに圧倒されました。
しまった〜、これは…免疫力だだ下がりになった気がする。
トンちゃんと遊んで、癒してもらおう。
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「キャロル」  監督:トッド・ヘインズ

cinema
02 /17 2016
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主演のケイト・ブランシェットとルー二ー・マーラがともにアカデミー賞にノミネートされている話題作、「キャロル」を見ました。
私は半額デーの水曜しか映画を見ないので他の日より観客が多いのですが、それでもこれほど混んでいる映画館は久しぶりです。
事前にネットでチケットを買ったのですが、その時すでに前の方しか空席がなく、映画館は1番前の列まで人が埋まっていました。

大きな事件は起こらず、人が人に恋に落ちる瞬間から始まり、徐々に親しくなり、ついに結ばれ、しかし障害が生じ、いっときの別れがあり、最後に再び…というラブストーリーを1950年代を背景に繊細に描いた作品です。
問題はまだ同性愛が許されない時代に2人が女性同士であること、さらにキャロルには娘がいて、親権を夫と争っていることなど。

私は決して繊細なドラマが嫌いではありません。感情の機微を丁寧に描いた作品を理解できないタイプではないと思います。
しかしコンディションを選ぶかもしれません。
実は途中寝てしまったのです(私のバカバカ〜!)
もしかしてトッド・ヘインズとは相性悪いのかもしれません。
「ベルベット・ゴールドマイン」も昔DVDで見たけれど、寝てしまいどういう話だったか未だに分からず…

だから感想に全く信憑性がないものの、ともかく出てくるファッションが素敵です❤️
ケイト・ブランシェットの金髪に映えるローズレッドのコートと帽子姿。
こういうのを見ると「洋服」というのは西洋人の着るものなんだなぁ〜とつくづく思います。
万が一私があれを着たら、林家パー子にしか見えない…

それからルーニー・マーラの可憐なこと。
この人、ハリウッド版「ドラゴン・タトゥーの女」の主役、リスベット役です。
あのタトゥーとピアスだらけの危ない姉ちゃんとは全く別人です。
ケイト・ブランシェットに比べると小柄で薄ぺったい日本人みたいな体型なんですが、ベレー帽やレトロなドレスの可愛いこと!
タートルネックの上に着てるチェックのぴったりしたジャンバードレスもむっちゃ可愛い!
個人的な話ですが、大学生の頃、カーリーヘアでモッズコートにジーンズとかだと、何度か男に間違えられました(私、別にごつい方ではありませんョ)。要するにいつもババチイ格好をしていたのです。
しかしこの年になって、花柄やギンガムチェックのワンピースなど、レトロで可愛い洋服にとても心惹かれます。
そこでつい趣味のソーイングでも花がらのワンピースなど縫ってしまい、あまりの似合わなさに生地を無駄にしています(涙)
今、もし若返ったら、絶対こういう服装がしたいなぁ。もっとも若くても、ルーニー・マーラのように可愛くは決まらないけどサ。


あとねえ、キャロルの旦那さん、悪い旦那じゃないし、キャロルを愛しているけれど、全く妻の感情を理解しようとはしてない感じですね。まあ、あの時代としては無理もないと思いますが。
というよりも基本、男と女の脳は赤ん坊の時から違うらしいので、妻の感情が完全に理解できる夫というのは、トキ並みに希少生物でしょう。

途中寝てしまったものの、ラスト、ルーニー・マーラ演じるテレーズがホテルのレストランでキャロルを探し見つけ出すシーン、テレーズの胸のトキメキが見ているこちらにもストレートに伝わってきました。
ともかく美しい映画です。うっとりできます。
すごく面白いという感じではないのですが、大入り満員の理由もそれかもしれません。


漢方薬3

disease(闘病記)
02 /14 2016
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私の行っている漢方薬局は、毎回30分ほどの問診があり、さらに薬の調合等で待たされるため、しばらくサボっていました。
3ヶ月検診で病院に行き、普段は早くも病気のことを忘れかけていますが、やはり免疫力を上げるために何かしなければ…と心を新たにし(?)、再度漢方薬局に行きました。
だいぶ元気になったこともあり、今回はシンプルな処方にしましょう、と少し薬の量が減りました。
おかげで値段も下がりました。
病院で出るエキス剤より効果が高いようなので、もう少し続けてみようと思います。
「補中益気湯」がメインで、他に「当帰」「陳皮」が単独で追加されました。
「当帰」と「陳皮」は冷え対策のようです。
車を使わず歩くようになっても、冷えは相変わらずあります。
寝る前の足湯を勧められました。
居間で足湯をしたら、いかにもトンちゃんがバケツに顔を突っ込んだりジャマしにきそう(笑)

今回も薬が用意できるまで、お茶をいただきながら置いてある漢方の本を読んでいたら、気になる記述がありました。
「ガン」が見つかる人はその数年前から風邪をひかないことが多い、というものです。
えっ?風邪をひかないのは悪いことなの?とびっくりしましたが、先生は次の予約の人の相手をしているので、また次回に覚えていたら聞いてみたいと思いますが、その本にははっきりした理由は書いてありません。
実は私もここ何年も熱の出るような風邪はひいていません。
喉風邪とか、鼻風邪は毎年のようにひき、それがまたダラダラと長引いたりするのですが、熱が出なければ生活に支障もないので、自分では丈夫になったのかと思っていました。
いわゆる高熱が出て寝込むような風邪はもう10年近くひいていないと思います。

そういえば以前はガ〜と熱が上がって、汗をいっぱいかいて、急に身体が楽になって、すっきり治るというのが風邪のパターンだったと思います。
だいぶ前ですが、友人夫婦と4人で韓国旅行をした時、慶州の市場で名物の動いているタコを食べ、ガンガンお酒を飲みました。
その後市場を見学してたら、コンクリの床でタコ切っているのを見てびっくり。うわっ、そんなとこで調理するか〜と。
それがいけなかったのかは不明ですが、その晩、友人のご主人と私の2人が高熱を出しました。
ご主人は無謀にも高熱のままサウナに入り、私はウンウン唸って寝ていました。
翌朝、私も友人のご主人もすっきり熱が下がり、何事もなかったかのように旅を続けましたっけ。
最近そういう熱の出方を全くしなくなりました。
たまに熱が出ても、せいぜい37℃後半で、最近熱を出さなくなったと喜んでいたのですが、こんな落とし穴があったとは…

勝手な私の推測ですが、もしかすると熱が出て寝込むような風邪は免疫にとって防災訓練のようなもので、時々免疫をきちんと働かせるために必要なのかもしれません。
そういえば以前母が肺炎で入院した時、医師から高齢者は熱も咳も出ない肺炎が多いと説明を受けたことがありました。
では私のひくダラダラと鼻水が出たり、喉がイガイガしたりするだけの風邪は、免疫力が弱くて、しっかり戦っていないから熱が出ないのでしょうか?
う〜〜〜ん、なんだか免疫のことを考えていたら、免疫力下がりそうになってきた。
免疫、生物0点だった私には難しすぎますが、命がかかってると思うと、ほっとけない。
まずは初心者用の本でも読んでみようと思います。

『オデッセイ』監督:リドリー・スコット

cinema
02 /10 2016
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『マット・デイモンが火星に取り残された宇宙飛行士を演じるSFアドベンチャー。火星で死亡したと思われた宇宙飛行士が実は生きていることが発覚、主人公の必死のサバイバルと彼を助けようとするNASAや乗組員たちの奮闘が描かれる。』(YAHOO映画解説より)

リドリー・スコットのSFといえば、「ブレードランナー」「エイリアン」最近では「プロメテウス」が私が見た映画ですが、どれもダークな作品です。
最近のSF以外の作品も「悪の法則」などは救い難く暗い内容でした。
個人的に好きなのは「ブレードランナー」「グラディエーター」「ワールド・オブ・ライズ」ですが、それも明るくはないですね。
それでユーモアのある監督とは思わなかったのですが、意外にもこの作品はユーモアと明るさのある作品です。
(弟のトニー・スコットと共同製作の「僕の大切な人と、そのクソガキ」は例外的に笑える小作品ですが)

「火星に1人取り残される宇宙飛行士」という設定を聞いただけで、あの「ゼロ・グラビティ」を思い出し、究極のひとりぼっち映画と思いきや全然違って、アメリカ的楽観主義とサバイバル精神、そして仲間との「絆」で万事解決という、どこまでも明るくノーテンキといってもいいくらいのハッピーエンド映画でした。

火星でジャガイモ栽培を始めるシーンで水をどうやって生み出すかとか、カメラの回転からどうやって地球との通信を成立させるかとか、道具の無いところから問題をクリアしていくサバイバルが見ていてとても楽しいです。
しかしとことん理系に弱い私、この手のシーンではいつも少し損した気分になります。
「博士と彼女のセオリー」でも宇宙理論を身近なジャガイモを手に説明するシーンがあったと思うのですが、こういう解説を理解できたらきっともっと面白いに違いない、とつい思ってしまうのです。

今、感想を書いていて思い出したことがあります。
若い頃、友人たちとどういう男(ひと)が理想か?という女子トークをみんなでしていた時、1人の友人が「サバイバルに強い男」と答え、優しい人とか頭のいい人とか言っていた他の女子と一線を画しました。
記憶違いがなければ、今日この映画を一緒に見た友人だったと思います。
私が若い頃はバブル前夜の時代、理想の男性は三高(高学歴、高身長、高収入)と言われた時代でしたが、あの頃「サバイバル男」を理想とするとは、先見の明があったのか?はたまた縄文時代の記憶でも蘇ったのか?
この映画のマット・ディモンはまさに陽気でめげないサバイバル男。
理想の男性かは別として、この陽気さとめげなさは私にも少し分けてほしいものです。

それから途中、食料の補給に失敗したNASAに中国が協力するシーンがあり、中国の存在の大きさと時代を感じさせました。ついでにハリウッドの中国市場狙いもね(笑)
それからそれから70年代ディスコヒットメドレーが懐かしくも、笑えるネタにもなっています。

肺がん手術後3ヶ月検診

disease(闘病記)
02 /05 2016
手術から3ヶ月が経ちました。
咳なし、傷の痛みなし、肋間神経痛なしで、ほとんど手術したこと自体、遠い昔のような気分です。
2ヶ月目まであった息切れも、執刀医のY先生にひつこく「歩け」と言われたのを守ったためか、今では駅の階段も手術前と同じペースで上れるようになりました。
ライフスタイルも変わりました。
今までは歩いて10分のスーパーへも車で行っていたのですが、今ではうちの近所はJR一駅間が短いこともあり、隣駅までなら自転車か歩きで行ってしまいます。
先日、家の近くの長い坂を気がついたら、自転車でこいで昇りきっていました。
ここは手術前も降りて押すのが当然だった場所なのに、ちょっと考え事してたら、立ち漕ぎして上っていて、「あれ〜!?手術前より体力付いちゃってない?」と自分でもびっくり!


3ヶ月検診に行きました。
肺のレントゲンと血液検査を済ませ、診察です。
いろいろ気になることを話しました。
まず切った肺にタールの固まりがたくさんあったこと。
再発の心配はしていないけれど、あんなにタールの溜まった肺に毎回放射線を当てたら、新しく原発ガンができてしまうのではないか?と。
そもそも毎年健康診断でレントゲンを撮っていたのに、結局発見のきっかけになった事故の時でさえ、レントゲンは異常なし。同時に撮られたCTで偶然発見されたので、肺がん検診に対するレントゲンの意味自体に疑問を持っています。
もちろん今は術後の肺の状態を見るためにも、レントゲンの必要は分かります。
しかし今後もずっと検診ごとにレントゲンをとるよりも、尿1滴で線虫とか、身体に負担のない方法で検査してもらえないか、と聞きましたが、それはまだ技術として確立していないとのこと。
放射線に関しては、医師もそれぞれ考えが違い、結局のところ、放射線の影響は分からないとしか言えないとのこと。
毎回白血球の数が気になります。
数の問題じゃないのは分かるのですが、私の場合ガンを芽のうちに摘んでくれなかっただけでなく、自分の甲状腺を攻撃している甲状腺機能低下症(橋本病)という症状で、チラージン(甲状腺ホルモン)を飲んでいるのです。
といってもほぼ正常だそうで、いつやめてもいいと言われているレベルなのですが。
しかしガンは見落として、自分を間違えて攻撃するって、まるで使えない軍隊みたいじゃないか!と思わず思ってしまうのです。

私は自分の肺の中のタールがどうしても気になるのですが、先生に言わせると「全然ふつうに皆ある」そうです。
その時はふ〜ん、と思いましたが、先生の「みんな普通にある」は肺がんになった人の肺のことじゃなかろうか?と後から思いました。
私自信はタバコを吸わないけれど、生まれたときから周り中ヘビースモーカーだらけ。
子どもの絵には煙突から煙がモクモクが街の風景の時代。
肺もそれなりに汚れていてもしかたないと思います。
それでも大抵の人は肺がんになりません。
やっぱり免疫に問題があるのか…結局、思考が堂々巡り。

まあ、あとは和やかに雑談して、では次は3ヶ月後と出てきたら、先生が「tontonさん、次の予約時間決めるの忘れてたよ!」と待合室に追っかけてきました。
重篤な患者さんが多い病院ですので、もしかしたらお医者さんにとって私のような手術の後遺症も無く、予後の良さげな人間は気を抜ける患者なのかもなぁ〜とおかしくなりました。
Y先生、前回の検診のときも思いましたが、ヤクザっぽいところなんて微塵もなく、人相もいい方です。
H子情報によると、医師が自分が病気になった時に手術してほしい医師に選ばれたり、ゴッドハンドとして有名な外科医らしいです。
でも全く俺様偉いオーラないし、私のトンチンカンな質問にも丁寧に答えてくれ「色んな説があるけど、結局のところは分かんないんだよね〜」と正直で、遠慮なく質問でき、とても話しやすい方です。

それなのに、なぜ手術前の初対面の時は着流しにドス持ってそうな、もっとはっきり言えば、ヤっちゃん風に見えたのか?
手術前、自分では冷静で落ち着いているつもりだったのですが、初対面の医師から肋骨の間から肺を摘出する説明をされ、本当はものすごくビビっていたことに今さらながら気づきました。
「この先生がヤクザに見えるって、そうか…、私、実は手術がすごく恐かったんだ。
でもたった3ヶ月でこんなに回復したんだから、自分の身体の力も大したもんじゃないか」と、初めて思い至りました。
(もちろん回復が早いのはY先生の手術の腕が半端無くいいおかげですが)

先ほどは自分の免疫システムを使えない軍隊と罵りましたが、グレた子どもに「お前はダメだ」と言ったら、余計にグレてしまいますよね。
自分の細胞もグレた訳ですが、切った肺があっという間に元の位置まで膨らみ、周囲もびっくりするほど回復が早い。
そうだ!自分の身体にもっと感謝しよう。えらいぞ、あんな大手術からこんなに素早く立ち直るなんて!
なんだかとってもいいことに気づいた気分に浸っていました。
すると先生、最後に「やっぱり若いと回復早いね〜」とニコニコ。
年下(たぶん)の先生に「若い」と言われて「全然若くないですよ〜」と笑ったら、だって肺がんの平均年齢は70才代だとか。
ガクッときて、「だから、やっぱり免疫に問題あるんだわ」と再度思考が逆戻りしました(笑)

世の中には様々な健康ネタが飛び交っています。
私の生活は強いストレスも無く(中弱いろいろありますが)、食生活はまあまあ、甘いものは年に365日、お酒は350日ほど摂取しますが、量は適量。タバコは吸わない。
これで重病になっていたら、世の中病人だらけです。
自分のシステムには何かしらのバグがあることを認め、神経質なまでに食生活等を心がけた方がいいのか?細かいことを気にしない方がいいのか?正直分かりません。
帰り道、小腹が空いたので、駅前で脂ぎったラーメンに目がとまり、自分へのご褒美的に食べました。
最近さっぱり系の食事に慣れていた胃袋が驚き、帰りの電車の中、胃もたれになりました。
そういえば最近甘いものもあまり欲しくなくなりました。
どうも目から入る欲に支配されすぎていて、身体が本当に求めているものが分かってないのかもしれません。
身体の声に従う、おそらくそれが1番無理がなく、正解なのでしょうが、案外それを知るのが難しいのです。


tonton

映画と本の備忘録。…のつもりがブログを始めて1年目、偶然の事故から「肺がん」発覚。
カテゴリに「闘病記」も加わりました。