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「世界史の極意」佐藤優

book
04 /21 2015
世界史

世界情勢や歴史に疎く興味もなかった私ですが、やはり今年初めのイスラム国に日本人が人質になったニュースは衝撃でした。
さらにここ数年の中国や韓国とのギクシャクもちょっと気になります。

韓流には乗れなかった私ですが、100人の外交官より1人のヨン様と言われた冬ソナブームはとてもダイナミックで、国と国との関係ってこんな少女漫画みたいなエンタメで変わるんだぁ〜とびっくりしたものでしたのに。
そんなこともあって、たまたま目について(というか夫の本で家にあったので)読んでみました。
佐藤優さんの本を読むのは初めてですが、普段小説しか読まないのでこの手の本は読みにくいかと思いましたが、退屈せず読める本ではありました。内容を理解できたかはまた別の話。

「アナロジー」 この言葉がひつこいくらいよく出てきます。
「アナロジー」は類比という意味で、歴史は繰り返すっていうことから、現在の状況を過去の例にあてはめて考えてみようってことみたいです。
で、現在は新帝国主義の時代で第1次大戦前によく似ているそうです。
それから近年やたら民族紛争が多いけれど、それはナショナリズムが盛り上がってるからというのは分かります。このナショナリズムを理解するキーワードとして「エトニ」という言葉も重要です。
これは言いたい事は分かるものの、どういう意味?と言われると…
民族意識というものに目覚めたときに発見される過去のその民族を象徴するようなモノとかコトなんだけど。
その時点では民族意識とか全く意識してないわけ。ってさっぱり分ってないじゃん、私。

しかしそもそもなんでナショナリズムが世界的に盛り上がっちゃってるのか?
私の子どもの頃の日本は「1億総中流」とよく言われました。
1970年に行った世論調査では9割の人が自分を中流と答えたそうで、フランスから「唯一成功した社会主義国」と皮肉られてらしいです。
父親が工場労働者でも医者でも大体みんな中学までは公立へ行ってたし、高校も公立の方が上で私立は滑り止めだったし(超1流は別としてね)。そんなに貧富の差が意識されてなかった記憶があります。中学受験する子はクラスに2〜3人はいたけれど、それはその家の趣味って感じでした。
現在は工場労働者の多くは派遣社員になり、身分が保障されません。

この本で初めて知ったのは、米ソ対立の時代は社会主義に対抗するため、資本主義国も人々の福祉に力をいれてたということです。
なるほど、米ソ対立って意外にも人々の暮らしに恩恵をもたらしていた訳なのか!?
社会にとって、貧富の差が少ない方がやはり安定すると思いますし、人々の心も安定すると思います。

「1億総中流」に対して、現在の世相は「格差」です。
ソ連が崩壊し、資本主義は心おきなく利益を求め、本来の弱肉強食を発揮しだします。
すると格差は広がりますが、格差が広がると人々の絆が断たれ、心には空洞が広がり、その空洞を埋める手っ取り早い方法が「ナショナリズム」だと言う訳です。

なんか、分かるような気もします。
我々は同じ日本人だと結束し、外に敵を求めれば、格差によって断たれた人々の絆の代償として心の隙間を埋めてくれるってことでしょうか?
また同質性が高い地域ほど、ナショナリズムは暴発しやすくなるという指摘もあります。似た者同士の方がわずかな差異が問題になるというのは感覚は分かる気もしますね。フムフム。

次は宗教ね。
全く宗教心がないわけではないけれど、私にとって普段ほとんど意識されないもの、それが宗教なので(おそらく多くの日本人にとっても)、イスラム教とキリスト教の対立、イスラム教のスンニ派とシーア派?とか理解不能な世界を簡潔に解説してくれて、ほんの少しだけ分かったような気もする。
EUがキリスト教同盟であること、プロテスタントはカトリックに対して『新』教ではなく復古維新運動、つまりイスラム国やアルカイダと同じく原理主義への回帰運動という指摘。
EUはキリスト教の共同体として、ナショナリズムを抑えるために生み出されたという解説です。その目的は2度と戦争したくないという独仏の想いが結晶化したものなんだそうです。でもキリスト教同盟なので、EUに入りたがっているトルコは仲間はずれみたいです。

しかしこの本で一番面白く印象に残ったのは、イギリスの11才〜14才の必修科目である歴史の教科書です。
タイトルが「帝国の衝撃」というインパクトのあるもので、「インド総督にインドからの撤退を勧める手紙を書く」課題とか、アイルランド独立派と反対派に別れて架空のラジオ番組で討論させたり、とにかく子どもたちに考えさせる内容が興味深いです。
タイトルからも分かるようにこれは海外へ植民地を求めた帝国主義時代のイギリスの歴史で、いわゆる紀元前から出来事を羅列した通史とは違い、帝国主義であった過去のいい点も悪い点も現在の自分たちに繋がるものとして学んでいるのだと思います。
日本の政治家や色んな人が過去の日本はアジアの国にこんなに悪いことをしたとか、逆に自虐的だとか、言ってますが、今現在の価値観で過去をあれこれいったところで過去は変えられないのに、なんでそんな奇妙な争いを繰り広げてるのか?私は以前から不思議でならないのです。
いつまでも土下座し続けるのも不毛ですが、といってやった側がやられた側に「そんなこと気にすんなよ」といっても説得力ない訳で、それを自分の好みで教科書の記述変えられても、その時々の政治家の自己満足しか満たされないんじゃないのかしらん?
いいことも悪いこともしたでしょ?自分のちっぽけな歴史を顧みても(笑)そうですが、国だって当然そうじゃないのかさ?
それより失敗から学ぼうとするこの教科書、見習ってほしいです。ぜひ我が国も。

なんか「帝国の衝撃」の感想のようになってしまった…

え〜と、佐藤さんは「世界史の極意」で何を一番言いたかったのか?読み返してみます(汗)








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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

cinema
04 /15 2015
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このアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品は「アモーレス・ペロス」(2000年)と「バベル」(2006年)の2本しか見ていないのですが、どちらも複数のエピソードがラストで1つに収斂され、カタルシスが生まれるというタイプの映画でした。どちらも映画として高い評価を得た芸術的な作品で、個人的には「アモーレス」のガエル・ガルシア・ベルナル君の美しさにクラクラしましたが、正直少々重い印象でした。
そしてこの「バードマン」
これはアカデミー作品賞で、1カットに見えるような凝ったカメラワークということで、もっと難しい作品を想像していましたが、いい意味で裏切られました。
笑える!すごく面白い!
おそらく、1カット(に見えるカメラ)のため、狭い楽屋を行ったり来たりするシーンが繰り返し出てくることや、変な音楽(音楽に疎くてうまく説明できないけれど、ジャズのドラムみたいな音楽)のせいで、どんどん見ている人間は主人公と一体化してきちゃう感覚があります。
なんていうのかな?感情移入というのとは、ちょっと違う、マイケル・キートンのすぐ後ろをぴったりくっついて狭い廊下をずんずん歩いてる感じ?かしら。
大体初代バットマンを演じたマイケル・キートンをバードマンという架空のスーパーヒーロー役者として演じるという、実際の役者と映画の中の設定をダブらせる辺りがずるいというか、憎い。
それから、エドワート・ノートンがとんでもないヤツでこれもおかしい。

でもラストはよく分かりませんでした。
結局、どうなったんでしょう?

映画後、水曜休日の友人Tとまたまた勝手に映画評。
「一度、スターになっちゃうと、人生大変だね。」
「60になっても全く心安らかに暮らせないとは!ふ〜」
いや、ほんと。主人公だけでなく、いかれてたり精神不安定な人ばかりで、映画スターって本当に大変だなぁ。


トンちゃんとお花見

dog
04 /05 2015
桜が散り始めました。
桜が2ヶ月くらいずっと咲き続ける花だったら、こんなにみんな夢中になるだろうか?
と桜の季節になると思います。
今年の桜は賞味1週間ってとこでしょうか?
ひときわ、アッと言う間に咲いてしまったように思います。

とりあえずトンちゃんを連れてご近所桜巡りをあわただしくしてきました。
でもトンちゃん、桜には全く興味を示しません。(当然だよね)
お姉ちゃんたちも一応写真を撮ったりしているものの、たいして興味はなさそうです。
私は中年になった頃からでしょうか?桜を見逃すと、とっても損したような気分になるのは…
名所の桜を見に行く訳でもなく、ご近所を見て回るだけですが、それでも年々むさぼるように見て回らずにはいられません。

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tonton

映画と本の備忘録。…のつもりがブログを始めて1年目、偶然の事故から「肺がん」発覚。
カテゴリに「闘病記」も加わりました。